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公演プログラム昨夜はアルフレッド・ブレンデル のリサイタルを聴きに行きました。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、彼は今年12月18日のウィーンでの演奏を以って現役引退表明をしているので、今回のこの公演がリヨンで催される最後のリサイタルと言う事になります。 彼は今迄にもリヨンに何度か来ているのですが、いつも仕事で聴きに行けず仕舞い。
今回はもう最後のチャンスだったので、是が非でも行くつもりでした(^^;
今年1月5日に77歳になったブレンデルは、1991年にケンプ、アラウ、ゼルキンが亡くなった後を継承する、唯一のドイツ、オーストリア系音楽の権威として知られる「 知性派ピアニスト」です。所謂、ショパンやリストに求められる様な派手さはありませんが、彼の演奏するハイドン、 モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、シューマンは秀逸です。
彼の緻密に分析された音楽と、紡ぎ出される音の美しさには定評があり、それは以前から僕なりにも録音を通して分かっていましたが、こうして生で耳にするとそれが本当だったと言う事がモロに伝わって来てとても幸せでした。音を濁さない為のペダリングは完璧だし、兎に角、細部に至るまで無駄がないんですよ。

今回演奏されたプログラムは次の4曲です。

ハイドン: 変奏曲 ヘ短調 Hob. XVII.6
モーツァルト: ソナタ ヘ長調 K.533/K.494
ベートーヴェン: ソナタ 第13 番 変ホ長調 Op.27 No.1 “幻想曲風ソナタ”
-- 休憩 --
シューベルト: ソナタ 第21 番 変ロ長調 D.960

見てお分かりの通り、これらの曲は決して派手な曲ではありませんしかしながら、 いかにも彼らしい素晴らしいプログラムですね。また、曲が全て関係調で構成されていると言う所も、他のコンサートでは余り見かけないと思います。

スタンディング・オヴェーションこの写真はプログラム終了直後に携帯で撮りました(禁止されているにも拘わらず...)。僕もですが観客の殆どが総立ちで拍手喝采を送りました。 この後、アンコールとして2曲演奏されましたが、2曲目にシューベルトの「即興曲 D899 Op.90 第3番」が始まると、思わず涙がこぼれました。

最後に、モーツァルト演奏家として世界的な評価を受けている内田光子さんがブレンデルについて語っている文章の一部を転載します。

「ブレンデルというピアニストは、一般リスナーや批評家の中には毛嫌いする人も多いようですが、もともと、ブレンデルの価値というのは、同業者、すなわちプロのピアニストでないとわかりにくい価値だと思います。
ピアニストが譜面を開きながら聴いて、なるほどと膝を打つ。そんな演奏なんです」

彼の60年に及ぶ演奏活動に敬意を表します。

リヨン・オーディトリウム今夜は妻のたっての希望で、リヨンのオーディトリウムにアメリカ人ピアニストのスティーヴン・コヴァセヴィチのリサイタルを聴きに行きました。
写真は開演直前に携帯で撮ったものですが、ピアノのリサイタルとあり上手側には殆どお客さんがいないのが面白いです。当然と言えば当然ですけどね(^^)
フランスの音楽評論家が口を揃えて絶賛するピアニストとは如何なるものか...と思い、生の演奏を聴いてみる事にしたのでした。
今夜のプログラムは、前半がバッハの「パルティータ4番」、シューマンの「子供の情景」、そして後半はベートーヴェンの「ディアベルリのワルツの主題による33の変奏曲」と、彼の得意とする曲ばかり。特に「ディアベルリ…」は1961年に彼がロンドン・デビューを飾った曲でもあるのです。

バッハが始まった時、今更ながらこのホールの音響の良さを実感しました。客席のどの位置にいても同じように聞こえると言うのが売りなんです。

肝心の演奏ですが、想像していたよりもかなりクセのある弾き方をするピアニストだなあと言う印象を受けました。確かに良いなと思わせるところも多々あるのですが、ピアニッシモ効果を狙い過ぎているきらいがあり、特にウナ・コルダの多用がとても気になりました。
娘にとっては初めてのピアノのリサイタル。途中眠くなりもせず真剣に聴いていた模様で、彼女なりに満足したようです。この様に人それぞれ感性が違うわけで、僕の好みには合わなかったと言うだけの事です(^^;

Théâtre Célestins今日の午後はブリテンの「カーリュー・リヴァー」のG.P.を観に、セレスタン劇場へ行きました。平日の午後にも拘らず劇場関係者以外の方々も多く、ちょっと不思議に思いました。
セレスタン劇場はリヨンに現存する唯一のイタリア様式の劇場で、普段は演劇の上演に使用されています。今回はオペラ座の「日本フェスティヴァル」に伴い、オペラ座だけでは演目を上演しきれないので、この作品はこちらでの上演となりました。
「カーリュー・リヴァー」は、1956年にブリテンが日本を訪れた際に鑑賞した、能の「隅田川」を基としており、能のもつ劇的な要素ばかりでなく、演劇に於ける能の取り扱いも取り入れられています。教会上演用寓話として作曲されたものの1つで、僕がまだ日本にいた頃に演奏した際にもやはり教会で上演されました。
今回の演出は本来ブリテンが意図したものとは違い、劇場での上演と言う所為もあって、かなり斬新。とても興味深く観劇しました。

Tous à l'Opéra !

Tous à l'Opéra !明日16日(土)は、総数28の歌劇場からなるフランス歌劇場連盟の開催する、 第2回「Oの日」 "Journée O" (O = Opéra) です。普段はチケット代払わないと入れない歌劇場内に、明日は誰でも無料で入れます!
リヨンのオペラ座も14時から20時半まで一般開放されます! コンサートあり、カラオケあり、ダンスあり!! その他、沢山の催しが皆さんを待ってますよ~!!!

※イメージをクリックすると、連盟のサイトに飛びます。そこで各劇場の開催時間、内容等を確認出来ます。

さよなら、ルチアーノ

イタリア人テノール歌手ルチアーノ・パヴァロッティが膵臓癌で亡くなりました。

Corriere della sera1961年にプッチーニの歌劇「ラ・ボヘーム」のロドルフォ役でデビューした彼は、1965年マイアミに於けるドニゼッティの歌劇「ランメルムーアのルチア」でジョーン・サザランドの相手役を務め一躍世界の注目を浴び、1972年ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場に於けるドニゼッティの歌劇「連隊の娘」で大成功を収めます。以来2004年に引退を決意するまで、イタリアの太陽のように明るく、また、父親が赤ん坊に子守唄を歌うような甘い歌声は世界中の人を魅了しました。
今朝はいつものように朝食を済ませた後、ネットで伊紙コリエーレ・デッラ・セーラ(写真)のサイトを開くと、彼が5時にモデナの自宅で息を引き取ったと言う訃報が載っていてとても驚きました。今年6月に膵臓癌の手術を受けた後も、容態は芳しくないと聞いていましたがやはりショックです。リヨンのオペラ座でも今朝は、リハーサルが始まるまで彼の話題で持ちきりでした。

ついに一度も生で彼の声を耳にする事はありませんでしたが、僕が歌の勉強を始めた頃、録音を一番多く聴いたのは彼でした。特に初期の録音はサザランドが評したように、明るさや甘さに加えて確かなテクニックと力強さも感じられる素晴らしい声で、あのままのスタイルで歌い続けていたら、名実共にカルーゾーの再来と呼ぶに相応しい歌手になっていたでしょう。1970年代のパヴァロッティが僕は一番好きだったし、1つの理想でした。とは言うものの、世界中の人に愛された偉大な歌手である事に変わりはないし、オペラ界の星がまた1つ消えてしまったのは言うまでもありません。心よりご冥福をお祈りします。

『まつぼっくり』

まつぼっくり大人から子供まで誰もが知っている唱歌「まつぼっくり」。実はこの歌、昭和11年に小学1年生が書いた詩に、先生が曲を付けたものなんですよね。

まつぼっくりが あったとさ
高いお山に あったとさ
ころころ ころころ あったとさ
おさるがひろって たべたとさ

詩・広田孝夫

娘もこの歌が凄く好きで、このところ外を歩いている時にご機嫌で歌っています。曲の長さもさる事ながら、リズムや語感もシックリくるのでしょうね。
さあ、皆さんも童心に帰って、ご一緒に~♪

『ローエングリン』 -DVD

Lohengrin - DVD6月にバーデン・バーデンで上演した『ローエングリン』のDVDの発売日は10月19日だったのですが、その先行予約していたものが、今日になってやっと届きました。予約と言いつつ発売日を過ぎても届かないところは、やっぱりフランスかな?と再確認(-_-;
「白鳥だ!白鳥だ!」と言う歌詞があるにも拘らず、実際には白鳥はどこにもいないとか(公演当時、鳥インフルエンザが流行っていましたが...)、ローエングリンの被っているヘルメットがウルトラマンみたいだとか、第3幕第2場はまるで「スター・ウォーズ」の様だったり等々、時代設定を現代に置き換えてしまった為になんとなく笑える箇所も多々ある演出ですが(台本では10世紀前半)、まあ一応記念と言う事で...(笑)。でもオーケストラの音色は楽員の数が多い事も手伝って、音に厚みがあってとても綺麗でした。
因みに、全編を通して残念ながら僕は殆ど画面には映っていないんですけど、ボーナス・トラックに入っていたリハーサル風景では、カメラ・アングルの所為か、結構映っていて可笑しかったです(^^;

DVDの製作に当たってはNHKも協力しているので、そのうち日本でもビデオ・ショップ等の店頭に並ぶ事があるかもしれません。もし、興味のある方は是非お買い求めになってください。僅かながら印税が入ってきます(爆!

ベッリーニ『夢遊病の女』

Jenny Lind長かった「ローエングリン」の公演もあと1回を残すのみとなりましたが、次の演目であるベッリーニの「夢遊病の女」の音楽稽古が先週から始まりました。
ベッリーニと言えば、ドニゼッティやロッシーニと並んで、イタリア・ベル・カントの基本ですが、「夢遊病の女」ではベッリーニの芸術性、技巧的手腕が最も顕著に見られ、彼の全オペラの中でも最良の出来と言われています。
このオペラの初演は、1831年の3月6日(僕の誕生日と同じ!)にミラノのカルカーノ劇場で、当時の2大プリマ・ドンナの1人であるジュディッタ・パスタと、超高音を得意としたテノール、ジョバンニ・バッティスタ・ルビーニによって行われました。
写真は、主人公アミーナ役を得意としたスウェーデンのソプラノ、ジェニー・リンドの有名な肖像画ですが、情熱的なマリア・マリブランや、威厳のあるジュディッタ・パスタに比べ、性格的、声が最もこの役に適していると言われ、「スウェーデンの夜鶯」の名で知られています。
今日、耳にする事の出来る録音として最高峰は、何と言ってもマリア・カラスの物以外には考えられないでしょう。中でもとりわけ彼女の同オペラに於ける唯一のスタジオ録音(ライブ録音は多数)は、音楽的にも歌唱的にも他の追随を許しません。
テノールの役名はエルヴィーノと言いますが、僕がオペラの勉強を始めてから、ドニゼッティの「愛の妙薬」のネモリーノに次いで勉強した役なので、とても懐かしいです。それ故に、今回リヨン・オペラ座で用いられるバージョンが、部分的にアリアやアンサンブルが半音下げられている等の通常上演されるバージョンではないので、違和感があります。尤も、今回の指揮者がこれまでに扱ってきた他の作品も同様に、所謂、イタリアに於ける「伝統的」なバージョンではなかったので、特に驚く事もないのでしょうけどね。既に全公演チケット完売だそうですが、果たしてどんな演奏になるのか楽しみです。

バッグパイプ - 2

Bagpipesエディンバラから戻って2日目、まだ何となく疲れが残っている様な気がします。でも、幸いオペラ座の方は9月4日まで10日間の休暇なので、それまでのゆっくり体調を整える事にします。
それに、エディンバラ滞在中にアップ出来なかった分も、「復習編」と言う事で幾つかアップしようと思います!

この日は、国立スコットランド美術館前の広場で、バッグパイプとブラスバンドが演奏をしていたので暫し聴き入ってしまいました。中でもバッグパイプ側のリーダーと思しき初老の紳士の姿(写真中央)が、とても印象的でした。
Windows携帯で録音したものをパソコンで編集し直したので、ファイルサイズはオリジナルに比べるとちょっと大きくなってしまいましたが、これ位のサイズなら許容範囲ですよね(^^; 残念ながら曲名は知らないんですけど、結構カッコ良いですよ~♪

聴いてみる? → bagpipes2.mp3 (413K)

キース・ジャレット

KEITH JARRETT TOKYO SOLO昨日は夜に本番があっただけなので本当は家でゆっくりしていたかったんですけど、午前中は断水だったので久し振りにリヨンの中心部の方を散歩しました(^^)
その時、キース・ジャレットの2002年に東京で行われたコンサートのDVDをゲット!
フランスではついこの間、5月の初めに発売になったばかりだったんですが、その後バーデン・バーデンに行っちゃったのですっかり忘れてました。実は以前、ラジオで同コンサートの模様を聴いてからずっと欲しかったんです。
ラストの「Don't Worry 'Bout Me」が凄く気に入ってます(^^)

フォーレ 『ネル』

Rosegarten6月のヨーロッパは最も美しい季節の始まりであり、またバラの季節でもあります。
フランスの高踏派の詩人ルコント・ド・リールがそのバラを題材として書いた詩に、フォーレがメロディーを付けた「ネル」は、フォーレの初期の作品の中で最高傑作と言われています。

明るい太陽の光を受けた真紅のバラ
六月よ、酔いしれる輝きよ、
おまえの黄金の杯を私の方へ傾けてくれ。
木陰では快楽の吐息がたち昇る。
山鳩たちが遠くの森で
愛の嘆きを歌っている。
物想いにふける夜の星よ、
おまえの真珠の星はもっとやさしい。
愛するネルよ、
君の姿が私の心に花開かなくなれば、
岸辺に歌う波は永遠に歌を歌わなくなる。

僕が大学を終えた1987年、縁があって当時京都市立芸術大学音楽学部、同志社女子大学音楽学科等で教鞭をとっていらっしゃった故河本喜介氏にフランス歌曲を教わる機会がありました。先生はフランスに於いて数多くのコンクール入賞、パリ・マドレーヌ寺院、フランス国営放送ソリストを務める等、長年に亘りフランス楽壇にその名を馳せ、帰国後もフランス歌曲の演奏普及活動を続けられた方で、その残された業績は大変なものでした。
先生のフランス語の発音がとても美しかった事を記憶していますが、歌唱に於けるフランス語の発音がどうでなければならないのかも良くご存知だったので、大変参考になりました。また、曲想やテンポ等についても教わる事が沢山あり、この「ネル」に於いても、実際に指定されているテンポよりかなり速めの方が、6月を女性(ネル)にたとえて歌うには生き生きとした感じが出るという言葉になるほどと思ったものです。
ところで、この「ネル」という名前ですが、ギリシャ語で「太陽の輝き」を意味する hélê を起源とする「ヘレナ」から派生、「ペネローペ」、「エレオノーラ」等の愛称としても呼ばれるんですね。6月の太陽を想像させる女性の名前を選んだリールのセンスにも驚嘆せずにはいられません。

先生とのお付き合いは、その後、先生が体調を崩して入院されたこともあり、残念ながらほんの数ヶ月でしたが、在りし日のお元気な姿しか知らない僕にとって、1988年5月に急逝された事を知った時は、信じられない思いで一杯でした。
先生が亡くなられた2年後に出版された「フォーレとその歌曲」(音楽之友社)に綴られた文面からは、先生の人柄、姿、教えを偲ぶ事が出来、僕にとって今でも大切な1冊です。

写真は、バーデン・バーデン滞在中にバラ園で撮ったものですが、6月に入り良い天気が続きやっと咲き始めたと言う感じでした。因みに、バラは僕が最も好きな花ですが、しかも、某占いによると僕の「宿命華」なのだそうです(^^)

ブラームス 『秘め事』

カール・カンディドゥスという牧師兼詩人による詩にブラームスが曲を付けた『秘め事』 "Geheimnis" は、ブラームスの歌曲の中で、内容的にも、音の扱いに於いても、最も繊細な表現を持った曲で、僕の大好きな曲です。
また学生の頃、イタリア・オペラが専攻でドイツ歌曲を殆ど学ばなかった僕に、その素晴らしさを教えてくださったのはI先生でした。僕は先生の門下生ではなかったのですが、先生はいつも僕の事を贔屓にしてくださっていました。そんな先生の「ブラームスの歌曲の解釈」(仮題)と言う講座を受講した際、先生は僕に模範試唱(大袈裟!!)として、他の受講生の前で歌う機会を与えてくださいました。しかも、先生たっての希望で同じ曲を繰り返し歌う事もしばしばで、この『秘め事』もその中の1曲だったのです。

おお、春のたそがれよ!
おお、温かいそよ風よ!
花咲く樹々よ、話しておくれ、
なぜおまえたちは寄り添っているのか。
おまえたちはぼくらの楽しい愛について
秘め事を打ち明けあっているのか。
おまえたちはぼくらの楽しい愛について
何をささやきあっているのか。
(訳・志田麓)

4月末、リヨンで室内楽のコンクールがありましたが、第3回目の今年は「声楽とピアノによる歌曲」が課題だったので、僕もオペラ座の本番の合間を縫って、3日間に亘って行われた予選を少し聴きに行きました。 これはあくまで僕個人の考えですけど、コンクールで一番聴き応えがあるのは予選だと思うんです。勿論、選曲の上手い下手は言うまでもなく、色んな演奏レベルの人がいるわけですが、予選の約10分というプログラムを審査員はどういう風に聴くのだろうと、とても興味がありました。特に今回のように歌だけではなく、ピアノとのアンサンブルを重視するとしたら、審査は決して容易ではないと思っていました。
その後、体調を崩してしまいセミ・ファイナル以降を聴きに行く事は出来ませんでしたが、第1位にはソプラノの谷村由美子さんの組が入賞しました。彼女は既にヨーロッパや日本でも演奏活動をされているのでご存知の方も多いかもしれませんが、今回の受賞は同じ日本人としてやはり嬉しいですね。今後の更なる活躍を期待します。
参加総数66組の中には、この『秘め事』をプログラムに選んだ方もいました。殆どのピアニストが楽譜を見ながらの伴奏が多かった中で、この方のピアニストは全曲暗譜で弾いていました。それだけでも驚きだったのですが、プログラムの2曲目にこの曲が始まると、僕は音楽に吸い込まれてしまいました。特に後半部分のメロディーとピアノの右手の下降音型との掛け合いは、ピアノの音色も美しくて涙が出そうになりました。こんな風に聴き入ってしまったのは、もしかすると先生の訃報を知って間もない頃だったからなのかもしれません。先生と過ごした日々を懐かしく思い出す機会が得られた事を感謝せずにはいられません。
体調が良くなったら、またブラームスを歌いたいと思っています。

カルディロ 『つれない心』

僕が高校時代に音楽の教科書に載っていた、20世紀初頭の代表的なナポリ民謡のカルディロの『つれない心』(または『 カタリ』)は、あれ以来ずっと僕のレパートリーの1曲です。
甘美な旋律と、カタリ(カテリーナ)のつれない言葉に心をずたずたに引き裂かれながらも、自分が愛した事を忘れないで欲しいと言う歌詞が切ないです。
昔、まだミラノに住んでいた頃、ナポリ民謡ばかりを集めてレストランでディナー・ショウを開かせて頂いた事があります。プログラムの中には、『オー・ソーレ・ミオ』、『帰れソレントへ』、『忘れな草』等と並んで、勿論、『つれない心』も入っていました。 伴奏をしてくださる方(女性)のお宅へ初めて伺った時の事です。40分位のプログラムだったので、長い時間に亘り合わせをしていた事になりますが、僕が帰った後、近所のおばさんが訪ねてきて、「あなた、いつからナポレターノ(ナポリの男性)なんかと付き合ってんの?」と訊いたそうです。自分で言うのもなんですが、当時はイタリア人も驚くほどナポリ方言の発音が上手かったんですよ(^^;

この『つれない心』のような想いは、一生のうちに何回くらい経験するんでしょうね。熱烈な恋なんて、実際には数えるほどしかないかもしれません。失恋の痛みを歌った名曲です。

ちょっと聴いてみる → カルディロ 『つれない心』 "catari.mp3" (0.98MB) 公開終了

ジャンナ・ナンニーニ

Grazie今日は欲張って3つ目のエントリーです! 今イタリアでマドンナやラウラ・パウジーニ等を抜いて、最もダウンロードされているのはジャンナ・ナンニーニの「Sei Nell'Anima」(あなたは心の中ににいる)と言う曲です。 僕も試しに聴いてみたんですけど、すぐに気に入ってしまいました。イタリアン・ ポップスにはこう言う感じの曲が多いんですけど、それでもやっぱり良いなあと思います。 ちょっぴりハスキーな声で、パワフルに歌い上げるので惚れ惚れしてしまいますが、ナンニーニは1956年6月14日シエーナ生まれだそうですから、今年はもう50歳なんですね。 驚きました。 「あなたは心の中にいる。そこにいつまでもずっと置いておく...」と言うサビの部分がとても良いので、著作権に引っ掛からない程度にちょっとだけお聴かせします。

曲を聴いてみる → "Sei Nell'Anima" (583KB) 公開終了

カルロス・クライバー

Carlos Kleiber昨日は、午後のリハーサルの後、本番までの間は家に戻らなかったので、中心部で時間を潰しました。 そして、FNACでこのカルロス・クライバー指揮の「ベートーヴェン:交響曲第7番」のライブCDを見つけたので買っちゃいました! クライバーもベートーヴェンも好きなので、この組み合わせは僕にとって最高です(^^)

アンリ・デスのコンサート

Concert今日の午後はアンリ・デスのコンサートに行ってきました。
チケットは買ってありましたが全席自由だったので、席の確保は早い者勝ち!
僕達も開場になる15時より前には到着したのですが、もう既に僕達と同じような親子連れの長蛇の列が出来ていました。でも、流石に3千人以上収容可能なホールなので、幸い前の方に席を取る事が出来ました。折角本物を見るんだから、近くで見ないと意味がありませんよね(^^)V

日本の子供向けのコンサートと言うと、僕はどうしてもテレビの子供番組の延長で、歌よりもカワイイ系やヒーロー系の着包みアトラクションの方がメインと言うイメージがあるんですが、デスのコンサートは歌詞の内容こそ子供向けであっても、音楽はバリバリのポップ・ロック系で、あくまで歌がメイン。そして、パパもママも子供達と一緒に手拍子を取り、歌って...と正にコンサートなんですよね。また、デスは70年代にはアメリカン・ポップスのフランス語版カバーも歌っていたそうで、今日のプログラムには「Just A Gigolo」や「Y.M.C.A.」も盛り込まれていて、思わず僕も嬉しくなっちゃいました(笑)。

アンコール4曲を含んで1時間半のコンサートは、あっという間でしたが、娘もとても喜んでいたようなので良かったです(^^)

「マゼッパ」の放送

TDK 800MB昨日、リヨンのオペラ座はチャイコフスキーの歌劇「マゼッパ」の3回目の公演でしたが、フランスのFM局 "France Musiques" による生放送がありました。
放送時間は19時から終演までと、約4時間半もあったので、DVDレコーダーで留守録しました。
零時過ぎに帰宅後、早速、試聴。そして、CDにする為にPCに取り込んで、音声信号をAC-3からWAVに変換し、トラック移動が出来るように、幕、場、曲の合間で区切り、トラックを作成しました。
普通はこれで編集は終わり、あとはCD-Rに焼いて出来上がりなんですけど、何とか2枚に収めたいと思うと、1枚目は78分38秒でギリギリ700MBのCD-Rに収まりますが、2枚目は90分31秒にもなり殆ど絶望的でした。
一旦は幕毎に分けて3枚にしようかとも思ったんですけど、うちに3枚用のCDケースはなかったので、やっぱり2枚に収めなくてはどう考えてもカッコ悪いですよね。ところが幸い、TDKの800MBのCD-Rの買い置きが1枚残っている事を思い出したんです。これなら最大91分48秒まで録音出来るので、余裕で収まっちゃうんですよね。
お陰で、無事2枚のCD-Rに収める事が出来ました(^^)
因みに、某メーカーの900MBと言うCD-Rもあるんですけど、そのCD-Rは再生機器との相性が余り良くなくて、メーカーや機種によって再生出来たり出来なかったりする場合が多いので、最初から念頭には入れていませんでした。

Mazeppaそして、最後にCDジャケットも忘れずに。今回はポスターにも使われているイラストをちょっとだけ加工して使う事にしました。
こうしてFMのオン・エアを留守録するのは、中学生の頃から幾度となく繰り返してきましたが、カセット・テープに録音していた頃は、放送時間に合わせてテープを用意するのも一苦労でしたっけ。
その後、オープン・リールや、ハイファイ・ビデオの使用で長時間録音は楽になりましたが、依然として編集には録音した時間と同じだけの時間が掛かってしまうのは変わりませんでした。それが今やDVDレコーダーやHDDレコーダーの普及で、編集に掛かる時間も短縮され、とても便利になりましたよね。しかも、自分でCDも作れちゃうんですから、世の中随分変わりました(^^)

Requiem今年はモーツァルトの生誕250年にあたり、世界各地で記念イベントが催されています。今日1月27日はその誕生日当日なので、僕も何かオマージュを... と思ってネットを彷徨っていたら、とても懐かしい録音を偶然発見しました!
それは僕が渡伊する前年1988年10月1日に、千葉県柏市文化会館大ホールで行われたモーツァルトの「レクイエム」の録音で、流山市民合唱団の第13回定期演奏会でテノール・ソロを歌わせて頂いた物なのです。
かれこれ18年近くも前の演奏なんですけど、実を言うとこれを聴くのは初めて。自分の演奏を聴くのはどちらかと言うと苦手なんですよね。しかも、まだデビューしたての頃の演奏で、聴いていてはっきり言って手に汗握る!って言う感じでした(^^;
でも、当時の事を思い出して凄く懐かしかったです(^^)

「混声合唱団フォンテ」 HPの「Sound Library」のコーナーにあります。

村下孝蔵『純情可憐』

純情可憐先日注文した村下孝蔵の『純情可憐』がやっと届いた。
彼のCDは沢山あるんだけど、その中で何故このCDを選んだかと言うと、8曲目の「すみれ白書」が他のどのCDにも収録されてなかったから(僕の調べた限りでは)。
また、このCDは9曲目以降がライブ音源と言うのも、選んだ理由の1つ。12曲目の「初恋」は、彼が亡くなる2ヶ月前の演奏だと言うから、全く信じられない思いだ。
明日21日は、7回忌企画ベスト盤第2弾の「月待哀愁歌~村下孝蔵最高選曲集 其の弐」がリリースされる。

Musical Baton

巷で話題になっている「ミュージカル・バトン」ですが、実はうちにも10日程前にnoriさんのところから、そして、つい先日NARUさんのところからやって来ました。
今迄書けなかったのは幾つか理由がありまして、4番目の「よく聞く、思い入れのある5曲」って言うのがとても難しいです。それと5番目にいたってはこの企画のチェーン・メール的なコンセプトがどうしても受け入れられなくて、しかも、あれよあれよと言う間に広まっているのを見ると、ちょっと怖い気がしてきて、僕には誰かに渡すという事が出来ません。
でもまあ、何となく書いてみたい気はするわけでして...(笑)。

1.コンピュータに入ってる音楽ファイルの容量
3,72 GB

内訳は、殆どオペラや宗教曲等。4枚分のCDイメージ(2,93 GB)と、OggVorbisに圧縮した約44枚分のCD(793MB)。
OggVorbisだとCD1枚分で約18MBなので、PDAや携帯電話で持ち歩くにはとても重宝します。暇な時に聴こうと思ってるんですけど、どちらかと言うとそんな時は、耳や頭を休ませたいので、あんまり聴きません(笑)。

2.今聞いている曲
ブラームス : ドイツ・レクイエム op.45

厳密に言うと、聞いているとは言わないです。
頭の中でずっと鳴っています...。

3.最後に買ったCD
メンデルスゾーン : 交響曲第2番「賛歌」 op.52

4.よく聞く、または特別な思い入れのある5 曲
ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」 op.31-2
ショパン : バラード第1番 op.23
シューベルト : さすらい人幻想曲 D.760
リスト : ペトラルカのソネット第104番
ラヴェル : 亡き王女のためのパヴァーヌ

意外と思うことなかれ。「よく聞く曲」と「思い入れのある曲」は、僕にとって同列ではないのです。しかも、5曲はあまりにも少な過ぎます。ポップス系始め他の曲が入る隙間がまるでありません(^^)
因みに、ここに挙げたのは全て後者の方で、全部ピアノ曲です。

5.バトンを渡す5名
割愛させて頂きます。

取り敢えずこんな感じです(^^)V

『ハウル...」のテーマ

楽譜最近、映画『ハウルの動く城』のメイン・テーマ「人生のメリーゴーランド」(久石譲・ 作曲)にハマッテます。 妻が日本から楽譜を買ってきたんですけど、こういうのが普通に売ってる日本は凄いなあと今更ながら感心してしまいます。最近ではドラマの挿入曲なんかも楽譜が出版されるのが早いそうですね。
日本はクラシックの曲でも色んなレベルの人が弾けるように、様々なアレンジの楽譜がありますね。こっちは所謂、原譜はあってもアレンジしてあるのは子供の為くらいですからね。それだけ日本には趣味でピアノを弾く人も多いっていう事なんでしょうね。お陰で僕も久石氏の曲を弾くことが出来て、とても嬉しいです(^^)V

Mefistofeleヴェルディのオペラの台本作家としても知られるアリゴ・ボーイトの歌劇『メフィストーフェレ』は、ゲーテの詩劇「ファウスト」を題材にしたオペラの1つ。
自称ワグネリアンのボーイトの『メフィストーフェレ』は、オーケストレーション、声楽部共とても重厚でスケールが大きい。それ故、舞台での実現が結構難しい。
その中で、このサン・フランシスコ・オペラの演奏は群を抜いている。ロバート・カーセンの演出は言うに及ばず、ソリスト、合唱、オーケストラも良い。指揮者のマウリツィオ・アレーナは、僕も何度か仕事した事があるけれど、イタリア・オペラの伝統を良く知る、今となってはとても希少な存在だ。

エピローグも終盤、ファウストが天上からの福音の声に心から "Arrestati, sei bello!" (止まれ、お前は美しい!)と叫ぶ辺りから幕が下りるまで、音楽が頂点に達する。いつも僕は見終わると、心なしか気分が晴々として、勇気が沸いてくるような気さえして来る。

今日はシャブリエの初日。ちょっと気分をハイにしなくては...。

バッハ『イギリス組曲』

イギリス組曲最近仕事で疲れ切っている僕をリラックスさせてくれるCD。チェンバリストのクリストフ・ルセは、なんかどっかのテレビ番組みたいですけど、僕の友達の友達です(^^)
その昔、フランス組曲までは僕でも弾けたんですけど、イギリス組曲には挑戦はしたものの早期敗退! 流石に難しくてお話になりませんでした(;_:)
だからこんな風にいとも簡単に弾かれると、安心して聴けるのかも知れません(^^)

天使の声

僕の最も敬愛するソプラノ歌手の一人、レナータ・テバルディが亡くなりました(82歳)。
1950~60年代にはマリア・カラスと人気を二分しましたが、トスカニーニに「天使の声」と絶賛されたイタリアの正統なベル・カント唱法には、他の追随を許さないものがありました。
イタリアで流れた訃報では、最近行われたインタビューの中、「これから(これからの人生を)どうなさいますか?」と言う問いに、「勿論、これからも音楽に生きて行くわ」と答える姿もありました。
これでまた一人、ディーヴァと呼ぶに相応しい素晴らしい歌手が消えてしまいました。涙...

THE PIANIST

Szpliman遅ればせながらポランスキー監督の「戦場のピアニスト」(邦題)を観た。ゲットー体験者のポランスキー自身が満を持して撮った作品だとか。作品の内容については、他のサイトで散々語られているので、ここでは敢えて触れない。僕はシュピルマンを演ずるエイドリアン・ブロディの手がとても気になった。聞くところによると彼自身も本当にピアノを弾くらしい。羨ましいほど大きな手。僕の大好きなホロヴィッツの手にとても似て見えた。
ウワディスワフ・シュピルマンというピアニストを僕はこの作品を見るまで知らなかった。幸い、Amazon.com で彼の録音を試聴することが出来たが、文句なしに素晴らしかった。思わずCDを注文してしまった。第二次大戦を生き延びてくれた事に感謝する。僕個人の見解なんだけど、やっぱりこの年代には僕の好みにぴったりの演奏家が多い。CDが届くのが待ち遠しい...。

ホロヴィッツ

Vladimir Horowitz僕の好きなピアニストの一人。その完璧なテクニックと誰にも真似することの出来ない美しい音。
既にキエフ音楽院の卒業試験では満場のスタンディング・オヴェーションだったと言う。
デビュー後も世界各地で数々の名演、トスカニーニの娘ワンダとの結婚、数回に及ぶコンサート活動の停止、時代に埋もれかけた作品の発掘、カーネギー・ホールでの歴史的なコンサート等々、エピソードにも事欠かない大ピアニスト。イタリア語では彼の様な名演奏家を「ヴィルトゥオーゾ 」Virtuoso と呼ぶ(徳行に優れた、徳の高い等の意)。
もう亡くなってだいぶ経つけれど、残された数多くの録音物によって、これからも僕に感動と安らぎを与えてくれることだろう...。

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