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「ジャミレー」 / 「外套」~CD

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「ジャミレー」 / 「外套」~CD2006/07年のシーズンにリヨンとサンテティエンヌのオペラで公演があった、ビゼーの歌劇「ジャミレー」とプッチーニの歌劇「外套」のCDをネットで見つけたので購入しました。勿論、正式には販売されていない物なので、所謂、「海賊盤」です(!)。因みに、CDジャケットは僕が適当に作成したものです(^^;
CDの商品解説欄には何も説明がなかったでいつの収録なのか分かりませんでしたが、早速届いたCDを聴いてみたところ、サンテティエンヌでの公演時の物である事が判明しました。リヨンでの公演の模様は、2007年当時 France Musique の収録を聴きましたが、サンテティエンヌの方はどんな感じだったのか知らなかったし、僕にとっても貴重な録音の1つですからね。とてもラッキーでした(^^)V

今日のオペラ座は、これから「パルシファル」の立ち稽古、そして、夜はプッチーニの歌劇「三部作」の初日です。

「フィレンツェの悲劇」/「ジャンニ・スキッキ」~G.P.

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フィレンツェの悲劇昨夜はオペラ座でゼムリンスキーの「フィレンツェの悲劇」とプッチーニの「ジャンニ・スキッキ」のG.P.がありました。
昨日は朝からずっと「パルシファル」の音楽稽古があって少し疲れたかな?と思ったんですけど、折角なので観に行きました(^^;
これで全てのリハーサルが終了し、今日は一日オフ。そして、いよいよ明日より "Festival Puccini Plus" が幕を開けます。

※写真は「フィレンツェの悲劇」の舞台、2007年4月の公演時のものをオペラ座のサイトから拝借しました。

ヴェルディ:歌劇「ドン・カルロ」

ヴェルディ:歌劇「ドン・カルロ」オペラ座で予定されていたプッチーニの歌劇「修道女アンジェリカ」のKHPが延期となり、普通の立ち稽古に変更された事から今日は出番がなくなりオフとなりました。この作品、何しろ男声は終盤に影コーラスが数分あるのみなので舞台演出には関係ないのです。
閑話休題。今日は久し振りにCDの話題です。今回ここで紹介するのはヴェルディの歌劇「ドン・カルロ」の1984年7月にオランジュ古代劇場公演に於けるイタリア語版全4幕のライヴ録音です。この公演はDVD化もされているのでご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。
この年のシーズンに、他の演目で参加していた知り合いから、「空き日にG.P.を観に行ったんだけど凄かったよ」と当時の話を聞き、「それなら...」と聴いてみる気になったのでした。
主なキャストは、トーマス・フルトン指揮フランス国立管、ジャコモ・アラガル(ドン・カルロ)、サイモン・エステス(フィリップ2世)、レナート・ブルゾン(ロドリーゴ)、モンセラ・カバリェ(エリザベッタ)、グレース・バンブリー(エボリ)というそうそうたる顔ぶれです。
演奏の方も全体的に悪くないですね。知り合いの言っていた通りです。特にソリストは男声陣が良いですね。それに引き換え女性陣の方は、全盛期を過ぎてしまった感があり少々残念に思いました。

僕もニースとリヨンのオペラ座で合唱を歌った事がありますが、自分が聴き馴染んでいたイタリア語版とは違う、フランス語版全5幕のオリジナル・バージョンだったので、スコアを覚えなければならかった当時は少しばかり苦労した記憶があります(^^;
因みに、このフランス語版の「ドン・カルロ」がリヨンのオペラ座との一番最初の契約でした。1997年3月の出来事です!

ドニゼッティ:歌劇「アンナ・ボレーナ」

この1週間、ずっとオッフェンバック漬けだったので、今夜は軌道修正です(笑)。

ガエタノ・ドニゼッティの歌劇「アンナ・ボレーナ」(1830年初演)は、「マリア・ストゥアルダ」、「ロベルト・デヴェリュー」と共にドニゼッティの「女王3部作」と呼ばれる作品の1つです。
ドニゼッティのオペラ・セリア、特にこの「アンナ・ボレーナ」を聴くと、ベル・カントの伝統が音楽的にも声楽的にもヴェルディの作品へと受け継がれていくのが良く分かります。

ドニゼッティ:歌劇「アンナ・ボレーナ」ストーリーは、イングランド王ヘンリー8世の妻となり、後に女王エリザベス1世となる子を生みながら、彼女に飽きた王から不倫の濡れ衣を着せられ斬首されたアン・ボレインの悲劇を描いたもので、終幕第2場から幕切れまでの、所謂、「狂乱の場」が一番の見せ場です。
今回のCDは、タイトル・ロールには、当時、全盛期にあったマリア・カラス、その他、ニコラ・ロッシ=レメーニ(エンリーコ8世)、ジュリエッタ・シミオナート(ジョヴァンナ・セイモール)、ジャンニ・ライモンディ(リッカルド・パーシー卿)等の配役で、ジャナンドレア・ガヴァッツェーニ指揮、ミラノ・スカラ座管&合唱団によるミラノ・スカラ座での1957年のライヴ録音です。また、この時は1877年以来、実に80年振りにスカラ座で上演されたわけですが、名匠ルキノ・ヴィスコンティによる演出で大成功を収めています。

演奏の方は、何をおいてもドニゼッティの研究家でもあるガヴァッツェーニの作品解釈と創り出される音楽、壮絶と言っても過言ではないカラスの歌唱が秀逸で、他に類を見ません。古い録音なので音質は決して良いわけではないのですが、この演奏を聴いてしまうと、他の演奏はもう聴きたくないと言う気にさえなってしまいます。それでも強いて挙げるとすれば、1982年のスカラ座のシーズン開幕にモンセラ・カバリェの代役を務めたチェチーリア・ガズディアの演奏は素晴らしかったですね。当時の彼女はまだ弱冠22歳ですが、それを抜きにしても凄いですよ。
因みに、僕が初めて藤原歌劇団の公演を観たのは、1982年の「アンナ・ボレーナ」(タイトル・ロールは林康子さん)でした。

ベッリーニ:歌劇「カプレーティ家とモンテッキ家」

ベッリーニ:歌劇「カプレーティ家とモンテッキ家」ヴィンチェンツォ・ベッリーニの歌劇「カプレーティ家とモンテッキ家」の台本は、1825年に初演されたニコラ・ヴァッカイの歌劇「ジュリエッタとロメオ」の為にフェリーチェ・ロマーニが書いた台本を再利用したものです。基になっているのは1529年にヴィチェンツァのルイジ・ダ・ポルトが発表した物語にマッテオ・バンデッロが手を加えて発表した物語集です。
因みに、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲「ロミオとジュリエッタ」は、このバンデッロの物語集の仏語訳からアーサー・ブルックが翻案した「ロミウスとジュリエットの悲しい物語」(1562年)が主な題材となっているようです。
さて、ベッリーニの「カプレーティ~」の話に戻りますが、1830年3月11日にヴェネツィアのフェニーチェ劇場での初演されたこの作品には、前作の歌劇「ザイーラ」の旋律が所々に挿入されています。こう言った自作を再利用する「自己盗作」 "auto-plagio" という行為はロッシーニ等の同時代の作曲家には多く見られるのですが、ベッリーニはこれを嫌いました。しかし、ベッリーニ自身が会心の出来と信じた前作の「ザイーラ」が一部の限られた成功のみに留まってしまったという出来事が、、敢えて彼にそうさせてしまったのかもしれません。何とかして「ザイーラ」の旋律の素晴らしさをより多くの人に受け入れて欲しいという彼の願いだったのでしょう。
こうして初演時には大好評を博した「カプレーティ家とモンテッキ家」ですが、1832年頃から当時の名メゾ・ソプラノであるマリア・マリブランがベッリーニのフィナーレに繋げてヴァッカイの「ジュリエッタとロメオ」のフィナーレを続けて上演したことがきっかけとなり、19世紀中頃までこれが慣例的に演奏される事になります(エヴァ・メイとヴェセリーナ・カサローヴァが主役を歌っているロベルト・アッバード盤の「カプレーティ~」にボーナス・トラックとして収録)。

1966年には、ロメオ役をオリジナルのメゾ・ソプラノではなくテノールに割り当て、また、女声合唱を大幅に加える等の改変をクラウディオ・アッバードが行い、自らが指揮をしてミラノ・スカラ座で、レナータ・スコット(ジュリエッタ)、ジャコモ・アラガル(ロメオ)、ルチアーノ・パヴァロッティ(テバルド)等によって上演されました。また同年、アムステルダムで開催されたオランダ・フェスティヴァルでも同じくアッバードの指揮により、ハーグ・レジデンティ管&ボローニャ市立歌劇場合唱団、マルゲリータ・リナルディ(ジュリエッタ)、ジャコモ・アラガル、ルチアーノ・パヴァロッティ等によって上演されました(写真のCD)。スカラ座公演の録音は残念ながら所々が欠損しているのですが、それでもスコットの素晴らしい歌唱、そして、まだデビューして間もない若々しいパヴァロッティの声を聴くことが出来ます。一方、アムステルダム公演は欠損部分もなくアッバード版の完全録音となっており、オリジナルとの違いを知る上でもとても参考になります。
また、僕自身がテノールだからなのか、ロメオ役に適したメゾ・ソプラノがあまりいないからなのかは分からないんですけど、ロメオ役をテノールに置き換えたアッバード版はとてもシックリ行くんです。それは恐らく弱冠27歳のアラガルの歌唱にも寄るところが多いのかも知れません。ロメオにしてもジュリエッタにしてもまだ年端も行かない青少年ですからね。女声が男役を演ずる、所謂「ズボン役」では視覚的にもどうしても違和感を感じてしまうのです。

1985年にリッカルド・ムーティ指揮により、エディタ・グルベローヴァ(ジュリエッタ)、アグネス・バルツァ(ロメオ)等が歌ったロンドンのコヴェント・ガーデン王立歌劇場に於ける録音は、数ある録音の中でベッリーニのスタイルに最も近い演奏と言われ、非常に高い評価を受けています。確かにムーティの音楽はきびきびとしていて、ごく一部分を除けば完璧な演奏と言って良いでしょう。しかしながら、個人的にはバルツァの歌唱が少々残念でなりません。同役を同じ年、ウィーン国立歌劇場で歌った時の方が何倍も良いと感じたので尚更です。

ここ数年、コヴェント・ガーデン王立歌劇場やパリ・オペラ座、ミュンヘンのバイエルン国立歌劇場等で「カプレーティ~」の公演があり、それらの録音や映像を観聴きする機会がありましたが、如何せん、何れも僕の好みに合うものではありませんでした。また、アンナ・ネトレプコとエリーナ・ガランチャが主役を歌っている一番新しい録音も、音(ムジクフェラインの音響)は綺麗だとは思いますが、演奏の方は期待外れでした。オケがウィーン・フィルじゃなかったら絶対に聴かなかったかもしれません。
ベッリーニは正真正銘100%ベル・カント。同じベル・カントでもロッシーニやドニゼッティとは声も歌い方も、要求されるテクニックも違います。勿論、歌だけでなくオーケストラもかなり重要な役割を担っているのです。単なる伴奏に終わって欲しくはないのです。それをどう導くかは良くも悪くも指揮者の腕に掛かっているんですけどね。

明晩はリヨンのオペラ座に於いて、ベッリーニの歌劇「カプレーティ家とモンテッキ家」の公演が演奏会形式で行われます。ロメオ役を歌うのはアンナ・カテリーナ・アントナッチですが、昨日のG.P.まで、まだ一度も本気で歌っていないので、一体どういうロメオを聴かせてくれるのか少し興味があります。

ダストルガ:「スターバト・マーテル」

僕がまだニースのオペラ座にいた1994年春、休暇を取ってコンサート&レコーディングに参加した、ダストルガの「スターバト・マーテル」のCDの1部がYouTubeにアップされてるのを発見!

第1回目のコンサートは、ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」で有名なミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラーツィエ教会で行われたんです(!)。また、CDリリースに合わせてローマで行われた発売記念コンサートの時は、丁度、ヴェルディの歌劇「二人のフォスカリ」のリハーサル中だったので、過密スケジュールの合間を縫って飛行機で本番に駆け付け、翌朝の便で再びニースに戻らなければならないというとても慌しい日程でした。

実際にYouTubeにアップされているのは第1曲目だけで、この曲にはソロパートは出てこないんですけど、興味がお有りの方はどうぞ...。

ベッリーニ:歌劇「夢遊病の女」

ベッリーニ:歌劇「夢遊病の女」脳科学者・茂木健一郎さん曰く、「脳は嬉しいこと、喜びを感じるとその時やっていることを"もっとやりたい"と感じるそうです。好きな音楽を聴くのも脳を喜ばせるのに有効」とのこと。だから、今日もまたこうして好きなもの聴いてます!
34歳という若さで早逝したヴィンチェンツォ・ベッリーニは、19世紀前半のイタリア・オペラを代表する作曲家の1人。その8作目の歌劇「夢遊病の女」の初演は、1831年3月6日にミラノのカルカーノ劇場で行われました。
昔、まだ学生だった頃、イタリア人の先生から最初に与えられた曲が、この作品に出てくるエルヴィーノのアリアでした。また、初演だった日が僕の誕生日と同じ所為もあってか、とても好きな作品の1つです。
エルヴィーノは僕のレパートリーの1つなので、これまでにも(良いのもそれ程でもないものも含めて)随分と色々な録音を聴きましたけど、今回聴いた、レナータ・スコット(アミーナ)、アルフレード・クラウス(エルヴィーノ)、イーヴォ・ヴィンコ(ロドルフォ)他、ネッロ・サンティ指揮のヴェネツィア・フェニーチェ劇場に於ける1961年5月のライヴ録音は、久し振りに良い演奏に出会えたと僕の脳も喜んでおります(笑)。
録音の状態はどちらかと言うと悪いんですけどね。音楽が生きているんですよ。やっぱり! 第1幕で歌われるアミーナとエルヴィーノの二重唱、ロドルフォのアリア、第2幕のエルヴィーノのアリア、そして、何と言ってもアミーナのアリア「ああ、信じられもしない...」に続くロンド・フィナーレ「今、私を満たしている喜びは」は圧巻ですね。鳥肌が立ちました(^^)

ピック・マンジャガッリ:歌劇「ロマンチックな夜」

ロマンチックな夜「ロマンチックな夜」はアルトゥーロ・ロッサートの台本にリッカルド・ピック・マンジャガッリ(1882-1949)が曲を付けた、1幕2場からなる短いオペラです。初演は1936年4月25日に、ローマ王立歌劇場に於いてトゥリオ・セラフィンの指揮によって行われました。
この作品は当時、ミラノ・スカラ座を始めパルマ、ヴェネツィア、トリエステ等、イタリア各地の歌劇場で上演されていたようですが、今日では作品中で演奏される「ウィンナー・ワルツ」だけが単独で演奏される事がたまにあるだけで、全曲が演奏される機会がありません。
写真の台本はネットで見つけて入手したものですが、初演から12年後の1948年に再版されたものなので、恐らくその頃はまだ上演されていた可能性が高いです。因みに、スコアは現在市販されておらず(絶版?)、ローマ聖チェチーリア音楽院の図書館、ボローニャやフィレンツェ等の国立図書館に所蔵されているらしいです。
僕がまだニースのオペラ座にいた頃、イタリア・オペラの合唱曲によるコンサートがありました。プログラムの中にはヴェルディの「イル・トロヴァトーレ」、「ナブッコ」、レオンカヴァッロの「道化師」、ドニゼッティの「ドン・パスクアーレ」等の有名な作品の他に、「ロマンチックな夜」から2曲、第1場の「ウィンナー・ワルツ」へと続く男声合唱、第2場冒頭で漁師の合唱(男声)も含まれていました。この漁師の合唱は、作品のタイトルともマッチしてとても甘美なメロディーなのです。
今年の夏休みに楽譜やプログラム等、古い資料を整理していたら、その時に使用したコピー譜が出てきてとても懐かしくなってしまいました。

※アルチェオ・ガリエラ(指揮)がフィルハーモニア管と録音した「ウィンナー・ワルツ」が、YouTubeにアップされています。

ヴェルディ:歌劇「ルイザ・ミラー」

ヴェルディ:歌劇「ルイザ・ミラー」ヴェルディの歌劇「ルイザ・ミラー」は先シーズン、リヨンのオペラ座でも上演されたのでまだ記憶に新しい方も多いかと思います。
写真は、1976年5月にミラノ・スカラ座で上演された同作品を収めたライブ録音のCDです。モンセラ・カバリエ(ルイザ)、ルチアーノ・パヴァロッティ(ロドルフォ)、ピエロ・カップチルリ(ミラー)、カルロ・ザルド(ヴァルター伯爵)と言った当時最高の歌手陣が一同に会し、ジャナンドレア・ガヴァッツェーニが指揮をしたこの演奏は、この作品に於ける名演の1つに挙げられます。
僕の手元にはこの録音の他にも3つ違う録音があるんですけど、そのどれもがそれぞれ悪くはないのですが、やはりこのガヴァッツェーニ盤がナンバーワンですね。歌手陣の歌唱は言うまでもないし、スカラ座管の奏でる音もさることながら、それら全てをサポートするガヴァッツェーニの指揮、作り出す音楽は特筆すべきものがあります。これぞ正真正銘の正統派ヴェルディ!と呼ぶに相応しい演奏です。
このスカラ座公演と同年の10月11日、ガヴァッツェーニはヴェルディの歌劇「イル・トロヴァトーレ」を指揮してニューヨーク・メトロポリタン歌劇場にデビューしています。この時の主な配役は、ルチアーノ・パヴァロッティ(マンリーコ)、レナータ・スコット(レオノーラ)、マッテオ・マヌグエラ(ルーナ伯爵)、シャーリー・ヴァーレット(アズチェーナ)です。タイム誌には、「ガヴァッツェーニは常に歌手陣に対して細心の注意を払いながら、一貫して制御された完璧なパフォーマンスへと導いた...第4幕レオノーラのアリアに於けるスコットへのサポートは永年人々の記憶に留まるであろう」(大意)という内容の評が掲載されました。これはイタリア・オペラの伝統を重んじた彼に与えられた、最高の賛辞だと思いますね。
尚、一部ではデビュー作品が「イル・トロヴァトーレ」ではなく「椿姫」と記載されている場合がありますが、これは間違いです(メトロポリタン歌劇場の公演記録で確認済み)。

ガヴァッツェーニの演奏は、テレビやCD、ビデオでは何度も見聴きしましたが、まだミラノにいた頃に実際に指揮をしている姿を見る機会がありました。スカラ座のチレアの歌劇「アドリアーナ・ルクヴルール」とプッチーニの歌劇「蝶々夫人」の公演です。当時もう既に80歳を超える高齢だったわけですが、そんな事をまるで感じさせない素晴らしい演奏で、あのエネルギーは一体どこから沸いてくるのかと不思議に思いました。
1996年2月に86歳で亡くなった時、スカラ座でムーティ指揮により音楽葬が行われたのを今でも覚えています。アルトゥーロ・トスカニーニの流れを汲む偉大な指揮者の死は、また、1つの時代の終わりでもありました。

今日のオペラ座のリハーサルは、ヒンデミットの「聖スザンナ」のオケ合わせだけで男声は必要なかったのでまたしてもお休みでした!
でも明日は、朝から晩までベッリーニの歌劇「カプレーティ家とモンテッキ家」のリハーサル、それに加えて、オッフェンバックの喜歌劇「パリの生活」(2007年演出の再演)の衣装合わせもあるし、滅茶苦茶忙しいんですけどね...(><

ヴェルディ:歌劇「アイーダ」

ヴェルディ:歌劇「アイーダ」僕がまだ藝大の学生だった頃、自分で買った最初のレーザーディスク(LD)は、1981年ヴェローナ野外音楽祭に於ける「アイーダ」公演を収録したものでした。所有していたLDはこの「アイーダ」を含め全て渡欧前に処分してしまいましたが、この収録公演に前のエントリーでも触れたカルロ・ザルドが、ランフィス役で出演していたと言うのを知り、改めてDVDを入手しました。
初めてLDを見た時は、マリア・キアーラ、フィオレンツァ・コッソット、ニコラ・マルティヌッチ、ジュゼッペ・スカンドラといった、所謂、有名どころの歌唱に圧倒されました。それに加えて、指揮のアントン・グアダーニョの素晴らしさにとても感動したのを覚えています。
その後、コッソット、グアダーニョとは藤原歌劇団公演で共演した事がありますが、特に印象深く覚えているのは、グアダーニョが指揮をしたプッチーニの歌劇「マノン・レスコー」です。在京の某オーケストラが指揮者によってこんなにも奏でる音が違うのかと驚いたんです。 特にイタリア・オペラは、作品を生かすも殺すも全ては指揮者の腕一つに掛かっていますからね。

肝心の「アイーダ」のDVDの話に戻りますが、今改めて聴いてもやはり良いですね。プレリュードの最初の数小節を聴いただけで鳥肌が立ちました。まるで一音一音が生きているかの様に音楽が止まらず流れて行くんですよ。これは決してせかせかと先走るという意味ではなく、決められたテンポの中でちゃんと脈打っているという事です。
そして、ザルド扮するランフィスの第一声で第1幕が始まりまるわけですが、久し振りに彼の声を耳にして嬉しくなっちゃいました。実際に彼と「セビリアの理髪師」で共演したのはこの公演から11年後になるわけですが、この時の方がちょっと若く見えるぐらいで、殆ど声も変わっていない事に驚きます。なにしろバスは老け役が多い所為もあってか、実際の年齢が良く分からなかったりしますからね(笑)。

僕自身も「アイーダ」は合唱を何回も歌った事がありますが、一度だけ抜粋ですがラダメスを歌った事もあるんですよ(!)。でも、いずれの場合も演奏会形式なので、残念ながら演出付きの舞台では演った事がない作品の1つです。
渡伊の年の夏、1989年にヴェローナで実際に観た時(演出はジャンフランコ・デ・ボジオ、衣装・装置は1981年と同じくヴィットーリオ・ロッシ)は、やはり感動しましたよ。本当の意味でのスペクタクル!という感じでした(^^)

ドニゼッティ:歌劇「ピグマリオーネ」

オペラ座の「鼻」の公演が昨日無事に終わりました。昨日、一昨日は2日続けての本番で、しかも昼間に他の演目のリハーサルもあったりしたので、昨日はちょっとしんどかったです(><
今日のオペラ座のリハーサルは出番がないのでお休み。そのお陰で何と!約1ヶ月振りのウィーク・エンドの休暇が実現しました~\(^o^)/

ドニゼッティ:歌劇「ピグマリオーネ」閑話休題。先日、とても珍しい録音を見つけました。ドニゼッティの歌劇「ピグマリオーネ」は彼が19歳の時に書いた最初のオペラですが、彼が生存中には上演される事がなかった上に長年その存在が忘れ去られていました。
初演は20世紀に入ってから、1960年10月にドニゼッティの研究家としても知られるイタリア人指揮者アルマンド・ガットが自らタクトを取り、タイトル・ロールをドーロ・アントニオーリ(写真)、ガラテア役にオリアーナ・サントゥニオーネという配役で、ドニゼッティの生地ベルガモのテアトロ・ドニゼッティで行われました。その歴史的な公演を収めたのがこのCDなのです。
テノールのドーロ・アントニオーリはあまりよく知らなかったのでネットで色々調べてみると、僕がロッシーニの歌劇「セビリアの理髪師」でアルマヴィーヴァ公爵を歌った時に、ドン・バジリオを歌ったカルロ・ザルドが1980年代前半に彼とも共演していた事を知り、思いも寄らない意外なところで接点が見つかり少々驚きました。

「ピグマリオーネ」はギリシャ神話の中に出てくるキプロス島の王ピュグマリオンの伝説によるもので、自ら彫刻したガラテア像に恋をし、ついにはガラテアに命が与えられ最後は目出度く結ばれるという内容です。その殆どがピグマリオーネ(テノール)の独白による約40分の短いオペラですが、ドニゼッティ19歳の処女作にして、「ランメルモールのルチア」の狂乱の場を思わせる旋律も既に耳にする事が出来、生涯78作ものオペラを生み出した彼の才能を彷彿とさせます。

ガットとはまだ僕が日本にいた頃、藤原歌劇団公演で数回共演した事がありますが、僕がこの「ピグマリオーネ」を1993年にミラノで歌った時に使用したスコアは、やはりガットの監修によるものでした。でも、この初演の経緯は知っていたものの、録音の存在など当時は知る由もないですからね。あれから18年余り経った今、自分以外の演奏を聴くのは初めてなので不思議な感じがしました。そして当時の事を思い出してとても懐かしかったです。

MITOセッテンブレ・ムジカ

MITO SettembreMusicaMITOセッテンブレ・ムジカ "MITO SettembreMusica" は、30年以上続いたトリノのセッテンブレ・ムジカ "Festival Torino Settembre Musica" が、2007年に装いを新たにミラノとの共催で生まれ変わったもので、毎年9月、3週間に亘ってトリノとミラノで同時開催されるフェスティヴァルです。開催中はクラシックのみならず様々なジャンルの音楽が演奏されます。
イタリア統一150周年に当たる今年は、マーラーの没後100年に当たる年でもあり、フェスティヴァル初日の昨日は、マーラーの交響曲第8番「千人」が演奏されました。
このコンサートの模様が、ラジオでライブ中継されるという情報をオペラ座の同僚から数日前に得ていたので楽しみにしていました。

僕が「千人」の合唱を初めて歌ったのは、まだ藝大の学生だった頃の事。今は亡き若杉弘氏の指揮&都響、そして、ソリストにはルチア・ポップ、ペーター・ザイフェルト、ベルント・ヴァイクル等々というそうそうたるメンバーによるものでした。その後、故ジュゼッペ・シノーポリや他の指揮者とも歌ったし、僕にとってはとても思い出深い曲の1つなんですよ。

昨夜は、イタリア・ミラノ出身のジャナンドレア・ノゼダの指揮で、オーケストラはイタリア国営放送管&トリノ王立劇場管、合唱は同劇場合唱団とトリノ・ジュゼッペ・ヴェルデイ高等音楽院の学生等々による演奏でした。
指揮者のノゼダは、リヨンのオペラ座ではヴェルディの歌劇「ファルスタッフ」(2004年)を振った事がありますが、オペラ指揮者としての腕前はここで改めて言うまでもなく、2002年にイギリス・バーミンガムのBBCフィルハーモニック管の主席指揮者に就任以降、管弦楽の分野でもレパートリーの幅を広げており、これからの活躍に期待を寄せる指揮者の1人です。
肝心の昨夜のコンサートの出来の方はと言うと、テンポの選択など個人的には納得いかない部分があったり、合唱やソリストの歌唱に少々難があったものの、全体の仕上がりとしては決して悪くなかったです。

フェスティヴァル2日目の今夜は、ミラノ・スカラ座でバレンボイム指揮&スカラ座管によりベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」が演奏されます。

マスネ:歌劇「マノン」

Manon先日、知り合いと話している時に、何かの拍子にマスネの歌劇「マノン」の話になりました。その人が写真のプラソン盤のレコーディングに参加していたと言うのです。
このプラソン盤がリリースされた当時、僕はまだ藝大の学生だったのでもう随分前の録音になるわけですが、渡欧後、プラソンの指揮で歌ったり、または、この録音でもコーチを務めているジャニーヌ・ライスの手解きを受けたり等々、学生の頃には思いも寄らなかった出会い、出来事があったのですから世の中不思議ですよね。
今こうして久し振りに聴いても全然古いと感じさせません。それどころか、マスネの優雅な音楽が丁寧に、そして的確に表現されている事に改めて気付き、豪華キャストもさることながら良い演奏だなと感動しました。

このところ、リヨンのオペラ座は次回3月公演のモーツァルト&ダ・ポンテ3部作のリハーサルが毎日!いくらモーツァルトが嫌いじゃなくとも、たまには違うスタイルのものも聴かないと精神的にも辛くなってくるので、気分転換には丁度良い機会でした(^^)

Diva, Divo

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Diva, Divo先月24日にアメリカ出身メゾ・ソプラノ歌手、ジョイス・ディドナートのニュー・アルバム「Diva, Divo」(邦題『ディーヴァとディーヴォ』 )がヴァージン・クラシックスからリリースされました。
これは去年の9月にリヨンのオーディトリウムでレコーディングが行われたもので、指揮はヴァージン・クラシックス初登場の大野和士さん、また、管弦楽と合唱はリヨン国立歌劇場管弦楽団&合唱団です。モーツァルト、ロッシーニ、マスネ、グルック、グノー、ベッリーニ、ベルリオーズ等のオペラからチョイスされた全16曲からなるアリア集です。
CDリリースに先立ってYouTubeで公開されたPVには、レコーディング風景も一緒に映っているので、僕も随所に映っていますよ~(^^)

『椿姫』 - DVD

La Traviata今日のオペラ座のリハーサルは、午前中がショスタコーヴィチの歌劇「鼻」の音楽稽古、午後がモーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」の立ち稽古でした。これに加えて、朝の音楽稽古の後には「フィガロの結婚」と「コシ・ファン・トゥッテ」の衣装合わせと、ヴェルディの歌劇「ルイザ・ミラー」の為の採寸もあり、お陰でゆっくり昼食を執る時間が余りありませんでした(-_-;
ところで、リヨン国立歌劇場2008/09年のシーズンのヴェルディの「椿姫」の公演を収録した“DVDリミテッド・エディション”が、2011年新春特別企画として劇場関係者にプレゼントされました。
この公演の模様は、テレビ放映された時にHDDに録画したっきりで編集もせずそのままになっていたので、これで録画ファイルを削除することも出来るし、ちょっとラッキーかも!です(笑)。

「よしだたくろう ベスト・セレクション」

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「ベスト・セレクション」今日からフランスは冬のバーゲンが始まり、2月15日まで5週間に亘って実施されます。
洋服や靴等はもう少し時間に余裕がある時じゃないと見る気が起こらないので、リヨンに帰ってからのお楽しみ取って置くとして、BOOK-OFF パリオペラ座店でも期間限定でバーゲンを実施すると言うので、ランチの後に行ってみました。
すると、一部の陳列棚の中古CDが通常価格の5割引になっていたので、何か目星い物はないかと物色していると、「よしだたくろう ベスト・セレクション」を発見しました。元々の販売価格は20ユーロでしたが、その上に10ユーロのシールが貼ってありました。つまり、今買うと5ユーロ(約540円)っていう事ですよ。勿論、速攻でゲットしました!

早速買ったCDを聴きながらこのエントリーを書いていますが、とっても懐かしくて嬉しくなってしまいます。きっと脳内ではドーパミンが大量に分泌されているに違いありません(笑)。
今日の運勢は、「何か自分の好きな事に没頭して気分転換!」と言う事だったので、これで完璧ですね(^^)

ベートーヴェン:「交響曲第9番」

ロリン・マゼールUSTREAMでライヴ配信中の「ベートーヴェン~全交響曲連続演奏会」。現在、「交響曲第9番」の第2楽章が終わったところですが、フランスにいながらにして大晦日に第九だなんて、とても不思議な感じがしますね。しかも、今夜のソリストの中には大学の同級生や同じ門下の先輩もいるので、第4楽章が楽しみです。

皆様、どうぞ良いお年をお迎えください!

スモーク・オン・ザ・ウォーター

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昨夜はディープ・パープルのコンサートでした。ご存知の様に右耳の調子は未だイマイチなので、「なんと無謀なことを!」とご立腹なさる方もいらっしゃるかもしれません。それもまたごもっともな事だとは思います。勿論、チケットの払い戻しが出来る保険にも加入してたので、万が一、もっと具合が悪い時にはキャンセルも仕方ないだろうとも思っていたんですよ。その昔、ギネスブックにも認定された「世界一の大音響バンド」に不安がなかったわけではありませんけど、またとない絶好のチャンスだったのでどうしても聴きに行きたかったんです(^^;

Deep Purple

コンサートの開演は20時だったんですけど、会場には19時15分頃に着いてしまいました。何故こんなに早かったかと言うと、「チケット・センター側の手違いで、お客様がご予約になったお席はブロック全体が全席自由席という事が判明致しましたので、当日は出来ましたらお早めにおいでになり、お席を確保なさる事をお勧め致します」と言う様なメッセージを何度も受け取っていたからなんです。でも結局行ってみたら、平土間の立見席以外は全席指定だという事が判明!一体あれはなんだったのか、未だによく分かりません。

それから開演までの間は会場に入って来るお客さんとかを眺めてました。それがまあ、想像はしていたんですけど、お客さんの年齢層の高いこと高いこと!パープルのメンバーだってギターのスティーヴ・モーズだけが50代後半で、その他はもうとっくに還暦を越えているわけですから、彼等の音楽を聴いて一緒に年を取ってきたお客さんだって同じ様な世代なのは当たり前なんですよね。だから、そんな彼等に比べたら僕なんてまだ若い方でしたよ(笑)。

始めに地元フランスのハード・ロック・バンド、所謂、前座の演奏が30分ほどありました。その後、楽器やアンプ類のセッティングの為に30分休憩があり、ディープ・パープルのメンバー達がステージに現れたのは21時でした。
イアン・ペイス、ロジャー・グローヴァー、そしてイアン・ギランというディ-プ・パープル黄金期のメンバーを目の当たりにした時、感激のあまり思わず涙が出てしまいました。
「ブラック・ナイト」や「ファイアボール」、「ハッシュ」等の懐かしいナンバーも感激しましたが、何よりもギランの声がまるで衰えていないのにビックリしました。そして、スティーヴ・モーズ、キーボードのドン・ペイリーのアドリブも良かったですね。特に、ペイリーのアドリブにはモーツァルトの「トルコ行進曲」やら「マルセイエーズ」まで登場したりして、会場も妙に盛り上がっていました(^^)
そして、今か今かと待ちに待った「スモーク・オン・ザ・ウォーター」のリフが始まるや否や、割れんばかりの大歓声が上がりました。途中、「スモ~~ク・オン・ザ・ウォータ~♪」のリフレインは会場も一緒になって大合唱!これが予定プログラムの最後の曲だったんですけど、メンバーがステージを去った後も鳴り止まぬ歓声に応えて、ついにまたメンバーがステージに現れた時は、もう会場中が狂喜乱舞でしたね。勿論、僕もですけど(笑)。
アンコールで演奏したのは3曲、最後はグローヴァーとモーズがそれぞれ自分が使っていたピック、余分に用意していたピックを新築時の建前の餅撒きよろしく、「もうこれ以上は弾けないよ~!」と言わんばかりに客席にばら撒いておしまい。最後までステージに残っていたグローヴァーがいつまでも客席に向かって手を振ったり、何度もお辞儀をしていたのが印象的でした。

こうしてコンサートが終わったのが22時45分。暫くは両耳だけでなく身体全体がボーっとしていました。僕の席は中央正面とは言えステージから結構離れていたのに、それでも「世界一の大音響バンド」の音量は凄かったですね。でも、やっぱり行って良かった。そして、チャンスがあったらまた聴きに行きたい!と思う感動的な一夜でした。

ディープ・パープル

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ディープ・パープル数日前、買い物に出掛けた時に、ふと目に留まったディープ・パープルのコンサートのチラシ。暫くその場で固まってしまいました!
ディープ・パープルは、僕が中学の頃にハマッテいたバンドの1つ。実際には、僕が中学の頃には既に解散してしまった後(1984年に再結成)だったんですけど、云わば、僕の音楽の原点のような存在です(*^^*)
キーボードのジョン・ロードが、元々はクラシックのピアニストを目指していたと言うところに、当時の僕は共感を覚えたんです。今でこそオペラ歌手なんていう職業に一応落ち着いていますけど(笑)、あの頃は、クラシックに限らずフォークやロック、大抵の音楽は好きでした。そんな時にBBCの企画でジョン・ロードが作曲したロイヤル・フィルとのコンチェルト "Concerto for Group and Orchestra" を聴いて、とても感動したのを今でもよく憶えています(Youtubeで視聴可能)。言ってみればクラシックとハード・ロックなんて、音楽的には両極端ですよね。それがまるで違和感なく溶け合っていて、そこにはジャンルを越えた別世界、真の意味での音楽があった。あの曲があったからパープルの他の曲も好きになったし、他の歌手、バンドも同じ様に聴けた。そして、それまで以上にクラシックも好きになれたと自負しています。

現在のメンバーにジョン・ロードとリッチー・ブラックモアがいないので、見に行こうかどうしようか物凄く悩みました。もし、オペラ座のリハーサルが被っちゃったら...とも思ったし。でも、最近は万が一の場合に払い戻しが出来る保険って言うのがあるんですね。これに勇気付けられました。
ジョン・ロードがいないのは残念だけど、黄金期のメンバーが3人もいるなんて凄いですよ。何てったって、イアン・ギランの声を生で聴けるんだもんね!
今日の夕方、家を予定より少し早目に出て、コンサートのリハーサルに行く前に、事前にネットで予約しておいたチケットを受け取って来ました(^^)V

「ドン・ジョヴァンニ」~初日

今日の「ラ・プロヴァンス」紙今年、第62回を迎えるエクサン・プロヴァンス音楽祭は、既にコンサート、リサイタルが6月中旬から行われていますが、今夜からいよいよ国際オペラ・フェスティヴァル "Festival International d'Art Lyrique" が始まり、今月21日迄ほぼ連夜オペラが上演されます。
初日を飾るのは、音楽祭が始まった翌年の1949年にレナート・カッペッキがタイトル・ロールを歌い初公演を行って以来、これ迄20回近く公演されているモーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」です。今回はルイ・ラングレー指揮、ドゥミトリ・チェルニアコフ演出よるプロダクションです。
写真は「ラ・プロヴァンス」紙のエクス版第1面で、公共料金の値上げに続いて、その下に「ドン・ジョヴァンニ」の初日を告げる記事へと続いています。
また、今週はこのエクサン・プロヴァンス音楽祭とも縁が深いメゾ・ソプラノのテレサ・ベルガンサが、音楽祭友の会(?)の招待でお客様として滞在中だとか。ここでツェルリーナも歌った彼女が、賛否両論の分かれるであろうかなり際どいチェルニアコフの“現代版”「ドン・ジョヴァンニ」をどう受け止めるのか興味がありますね。
尚、7月5日の公演は、"ARTE Live Web"によってインターネットでライブ中継されます。

「ロード・オブ・ザ・リング」

今月17~20日に4回に亘って、映画『ロード・オブ・ザ・リング~旅の仲間』のフィルム・コンサートがリヨンのオーディトリウムで行われます。
巨大スクリーンで映画を上映、サウンドトラックは生で!という催しで、ルードヴィヒ・ヴィッキ指揮、リヨン国立管弦楽団、リヨン合唱団、児童合唱は聖ジャン教会聖歌隊、ソプラノのソロはケイトリン・ラスクという面々。僕はオペラ座のリハーサルは昼間のシフトで夜が空いているので、コーラス・パートを手伝うことになりました。
昔、まだ日本にいた頃は映画音楽のレコーディングに参加した事もありますが、こういう企画は初めてなのでとても興味があります。映像は待っていてくれませんから、曲のテンポは常に正確さが求められますよね。しかも、歌っている言語と言うのは、オックスフォード大学の言語学教授でもあった原作者トールキンが生み出した "Elvish language" (仏語では "langue elfiques" と言います)という妖精たちの間で話される言語、つまり「架空の言語」!発音は英語に近いんですけどちょっとややこしいです(^^;

写真は、ネットで見つけたルツェルンでのコンサートの際に撮られたものですが、こんな感じで舞台上にオーケストラと合唱が乗り、その上に巨大スクリーンが掛けられるという位置関係なんでしょう。リヨンのスクリーンは幅17メートル、高さ7メートルになるらしいです。

ロード・オブ・ザ・リング

前売り券発売開始

オペラ座前昨日、8日(火)からリヨン国立歌劇場の来シーズンの前売券発売が開始されました。
写真は、昨日の朝10時ちょっと前のオペラ座前。朝早くから一体何だろうと思いながら携帯で撮ったものですが、皆さん、チケット・カウンターが10時に開くのを待っていたんですね~♪
因みに、来シーズンの主なオペラは以下の通りです。

  • ガーシュイン:「ポギーとベス」
  • ストラヴィンスキー:「夜啼き鶯」
  • ロッシーニ:「オテロ」(演奏会形式)
  • ラフマニノフ:「モンナ・ヴァンナ」/「アレコ」(演奏会形式)
  • プーランク:「ティレジアスの乳房」
  • マスネ:「ウェルテル」
  • モーツァルト:「コシ・ファン・トゥッテ」
  • モーツァルト:「フィガロの結婚」
  • モーツァルト:「ドン・ジョヴァンニ」
  • ヴェルディ:「ルイザ・ミラー」
  • ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」

Addio a Giulietta...

Addio a Giulietta...今日は往年の大メゾ・ソプラノ、ジュリエッタ・シミオナートの100歳の誕生日の筈でしたが、それを目前に控えた丁度1週間前、5月5日の明け方、ローマの自宅で亡くなりました。
写真は伊紙コリエーレ・デルラ・セーラの記事(ミラノ・スカラ座のサイトに掲載された訃報はこちら → "Addio a Giulietta Simionato")。
ジュリエッタ・シミオナートは、マリア・カラスやレナータ・テバルディと共にイタリア・オペラの黄金時代を築き上げたことでも知られる偉大なメゾ・ゾプラノ歌手。1928年にオペラ・デビュー後、1935年にフィレンツェ音楽祭、翌1936年にミラノ・スカラ座デビュー。1939年には正式にミラノ・スカラ座と契約を結び、その後、引退する1966年まで長年に亘って主役級の役を数多く歌いました。また、その間もエジンバラ音楽祭、メトロポリタン歌劇場、コヴェント・ガーデン王立歌劇場、ウィーン国立歌劇場、シカゴ・リリク・オペラ等の世界の一流歌劇場に招かれました。
日本にはNHKの招聘したイタリア歌劇団の一員として1956~1963年に来日し、「アイーダ」のアムネリス、「フィガロの結婚」のケルビーノ、「カルメン」のタイトル・ロール、「カヴァレリア・ルスティカーナ」のサントゥッツァ、「イル・トロヴァトーレ」のアズチェーナ、「セビリアの理髪師」のロジーナを歌い、日本のオペラ・ファンにも深い感銘を与えました。僕はいずれも録画、録音でしか知りませんが、とりわけサントゥッツァはとても印象に残っています。僕の中では、あのサントゥッツァを越える歌唱・演技に未だ巡り会っていません。

今日リヨン・オペラ座は、今週末に公演するリムスキー・コルサコフの「モーツァルトとサリエリ」のオケ合わせでした。この作品についてはまた改めて書きますが、曲の終盤にモーツァルトの「レクイエム」第1曲目冒頭の部分が出てきます。「レクイエム」は日本語に訳すと「鎮魂歌」。通常は亡くなった誰かの為に書かれる事が多いですよね。例えば、ドニゼッティはベッリーニの為、ヴェルディはマンツォーニの為にと言う風に。ところが、モーツァルトの場合は、何者か名前も名乗らなかったような人物から依頼を受け、しかも、作曲途中で亡くなってしまいました。一体誰の為のレクイエムだったのか...。

主よ、彼らに永遠の安息を与え給え...

日本だったら今日は初七日。ほんの一節でしたが、今日はジュリエッタ・シミオナートのことを思いながら歌いました。

チャイコフスキー生誕170年

今日はチャイコフスキーの誕生日だそうで、そんな日にリヨン・オペラ座では「エフゲニー・オネーギン」の公演とは、なんとも目出度いではないですか!
ところで、そもそも今回のリヨン・オペラ座の「フェスティヴァル・プーシキン」は、2010年フランスにおけるロシア年に際して両国で開催されているイヴェントの1つなのです。クラシック音楽ではこれまで他に、パリのシャゼリゼ劇場でロシア・バレエの公演があったり、サル・プレイエルではサント・ペテルスブルクのマリインスキー劇場管のコンサートがありました。また、パリ・オペラ座バレエ団やコメディー・フランセーズのロシア公演や、バロック音楽で有名なレザール・フロリサンによるモスクワ、サンクト・ペテルスブルク公演等もありました。

France Russie 2010

リヨン・オペラ座におけるロシア年は、フェスティヴァルが始まってから1週間が経ちましたが、今夜の「エフゲニー・オネーギン」の公演はまだ2回目。日数の経過の割にはまだまだ始まったばかりなんですね。通常の公演ペースから考えると不思議です。
今日の午後は、ホームページに略歴と共に掲載するとかいう写真をカメラマンに撮ってもらう為にオペラ座に行って来ましたが、撮り終わった写真をモニターで見せてもらったら、昨夜の疲れが残っている所為か随分寝惚けた感じに写ってました。あれで本当に良かったのかな...(笑)。
さて、そろそろ出掛けなくては!!

After Life

After Life"After Life" は今ヨーロッパで最も熱い視線を送られている作曲家の一人、オランダ出身のミシェル・ファン・デル・アー Michel van der Aa による舞台作品で、台本は是枝裕和監督の「ワンダフルライフ」(1998年)が元になっているそうです。
ファン・デル・アーは録音技師、映画監督としてもその才能が高く評価されており、2006年6月にアムステルダムで世界初演されたこの作品に於いても国際的な賞賛を得たそうです。
リヨン・オペラ座で今日から全3回公演、勿論、フランス初演です。

※写真はオペラ座のサイトから拝借してきました。

歌劇「グリエルモ・ラトクリフ」

『グリエルモ・ラトクリフ』「グリエルモ・ラトクリフ」は全4幕からなるマスカーニのオペラで、台本はハイネの悲劇「ウィリアム・ラトクリフ」が原作です。
今日、マスカーニと言えば「カヴァレリア・ルスティカーナ」がとても有名ですが、1888年当時、ローマの楽譜出版社ソンツォーニョ社の歌劇コンクールに「グリエルモ・ラトクリフ」で応募しようとしたところ、一幕物でなければならないと言うコンクールの要件を満たさなかった事から応募を断念。結果として、コンクールの為に新たに書き上げた「カヴァレリア・ルスティカーナ」で応募したところ圧倒的な支持を得て優勝、驚異的な成功を収めるに至りました。しかし、この「カヴァレリア・ルスティカーナ」の成功ゆえに他の作品が脚光を浴びる機会があまりないのも確か。それに加えて、「グリエルモ・ラトクリフ」のタイトル・ロールはドラマチック・テノールを必要とし、今日では上演が非常に困難な作品の1つなんです。因みに、「カヴァレリア・ルスティカーナ」の後、「友人フリッツ」(1891年)、「ランツァウ」(1892年)と相次いで発表後、手直しを加えて1895年2月ミラノ・スカラ座でやっと初演を迎えた「グリエルモ・ラトクリフ」でタイトル・ロールを歌ったジョヴァンニ・バッティスタ・デ・ネグリは、オテロやタンホイザーを最も得意としたテノールでした。

このCDは1963年7月ローマでのライヴ録音です。元々はイタリアのレーベルFonit Cetraから発売された3枚組みのLPだったようですが、その後、数度に亘って複数レーベルによりCD化されています。写真のCDは2003年に発売されたリブレット無しの廉価版。でも、リブレットはネットでも入手可能なので特に問題はないですけどね。
そして、実はここからが本題!タイトル・ロールを歌っているのは僕のイタリア時代の師でもある、ピエール・ミランダ・フェッラーロです。
師はオテロ、ラダメス(アイーダ)、アルヴァーロ(運命の力)、エンツォ(ジョコンダ)、マンリーコ(トロヴァトーレ)、サンソン等を得意とし、特にオテロは300回以上歌ったと言う正真正銘のドラマチック・テノールなんですよ。ある時、その師に不躾にも「一番難しかった役は何ですか?」と質問した時に返ってきた答えが、この「グリエルモ・ラトクリフ」でした。この役は劇的表現を要求される事は言うまでもなく、これでもかと言うほど高音が出てくるし、野太い低音も必要な本当に大変な役なんですよ。でも、師の歌は素晴らしい。スケールが違います。第2幕終盤の10分にも及ぶアリアはカッコ良過ぎて思わず涙が出てしまいました。今は亡き師の歌声をいつまでも聴ける事に感謝してやみません。

序ですが、ロバート・デ・ニーロ主演、マーティン・スコルセーゼ監督の「レイジング・ブル」(1980年)の中で、第3幕の間奏曲が使われています。

「マノン・レスコー」

Manon Lescautリヨン・オペラ座の今シーズン第3作目、プッチーニの歌劇「マノン・レスコー」の初日がストの影響で予定より1日遅れで22日(金)に開けましたが、今日はその2回目の公演でした。
『マノン・レスコー』はフランス18世紀のベネディクト会修道院の大修道院長であり作家のアベ・プレヴォー Abbé Prévost の全7巻からなる『ある貴族の回想と冒険』 "Mémoires et Aventures d'un homme de qualité qui s'est retiré du monde" の最終巻である『騎士デ・グリューとマノン・レスコーの物語』(1731年) "Histoire du chevalier Des Grieux et de Manon Lescaut" が原作です。また、「男達を破滅させる女」 "Femme fatale" を描いた最初の文学作品と言われています。
この小説を基にオペラ化されたものとしては、マスネの「マノン」(1884年初演)、そしてこのプッチーニの「マノン・レスコー」(1893年初演)が有名ですが、マスネ作が主にヒロインの性格に焦点を合わせて書かれているのに対し、プッチーニ作の方は原作の主要場面を取り上げて物語性を重視して書かれています。この作品は、プッチーニの3作目のオペラにして初の出世作です。
僕は始めマノンが修道院へ入らなければならないのは貧困の所為なのだろうと思っていたんですけど、その理由が彼女の「享楽的な性格」の所為だと知ると、ちょっぴりビビりました。だって、原作では17歳のデ・グリューが初めて彼女に出会った時、彼が「私より年下で両親の命令で修道女になるためにアミアンに来た」と言う箇所があるんです。つまり、10代半ばの少女ですよ(プッチーニ作では、兄レスコーがジェロンテに彼女が18歳と教える箇所が出てきます)。
こんな年端もいかない男女が主人公の物語ですけど、当然のことながらオペラで歌うのは立派な体格と声のオジサンとオバサンなわけで、ある意味では詐欺ですよね(笑)。でも、その辺はオペラが虚構の世界のであると言う事で、目をつぶるしかないのかも知れません。それよりも純粋にプッチーニの音楽に酔いしれるのが一番かと...(^^)

Manon Lescaut左は初演の際に作られた記念の絵葉書のコピーです。上の絵葉書同様、我が家にもあります!
マスネ作では割愛され、プッチーニ作の第4幕に加えられた「植民地ルイジアナ篇」でのエピソードの場面ですね。
尚、プッチーニ作ではマノンが息絶えたところで終わっていますが、原作でデ・グリューは、この数ヵ月後、探しに来た友人ティベルジュと共に故国フランスに帰ります。尤も、原作では「作者がデ・グリューから聞いた話」と言う事になっているので、生きてフランスに帰らなければ話が成り立ちませんけどね。

『メリー・ウィドウ』 - DVD

La Veuve Joyeuse2006年12月にリヨンのオペラ座で公演があった、レハールの喜歌劇「メリー・ウィドウ」のDVDがリリースされました。僕が"ムッシュー・フジタ"に扮したあのプロダクションです(笑)。
買うべきなのか、それとも誰からか借りて済ませてしまうか、取り敢えず、自分がどう言う風に映っているのか気になります...(^^;

"I Dreamed A Dream"

Well done!

1つだけ残念なのは、日本盤CDにしか収録されてない「翼をください」。悔しいからYouTubeで聴きましたよ~(^^)

I Dreamed A Dream

耳たこ 2!

最近、娘がアヴリル・ラヴィーンの『When You're Gone』を気に入って何度も聴いています。読んでいた本の中に彼女の事が出てきたので、どんな曲を歌っているのか検索したら先ず最初に出てきたのが、彼女の3枚目のアルバム『The Best Damn Thing』(2007年6月発売)にも入っているこの曲だったらしいです。
と言う訳で、またしても耳たこなんですけど、歌詞の意味が分かった上でちゃんと聴くと、これが結構泣けてきちゃうからタマリマセン(;_: 以下、歌詞の和訳からの抜粋です。

私はいつも自分のための時間が欲しかった。
泣いている時、あなたに居て欲しいなんて考えた事もなかった。
でも、ひとりでいると、数日がまるで何年にも感じる。
あなたが寝ていたベッドは、あなたの側だけ綺麗なまま。

あなたが去って行った時、私はあなたの歩数を数えてた。
今、私がどれだけあなたを必要としてるか分かる?

あなたがいなくなって、
私の心の欠片は、あなたを求めてる。
あなたがいなくなって、
それを知った時、どんな顔をしてたかも分からない。
あなたがいなくなって、
聞きたくてたまらない言葉を思い出して、1日を過ごしてる。
そう、それでいい。

私は、あなたがいなくて寂しい...
...

When You're Gone
※ご存知でない方の為に YouTube のリンクを張りました。写真をクリックすると別窓で開きます。

哀悼痛惜

指揮者の若杉弘氏が亡くなられた事を知り、今日は朝からちょっと落ち込んでいます。
氏と初めて仕事でご一緒させて頂いたのは、僕がまだ藝大の学生だった頃。藝大声楽科の学生による合唱と都響との共演で、マーラーの交響曲第8番「千人」のコンサートでした。その後、シュトラウスの「ナクソス島のアリアドネ」を日本リッヒャルト・シュトラウス協会の例会で。
良き時代のヨーロッパの劇場で育てられた、正に実力派と呼ぶに相応しい氏の繊細でかつ緻密な音楽作りには学ぶべき事が多く、いつも惹かれていました。また、僕達のような駆け出しの若手にも分け隔てなく、いつも真摯な態度で接していださっていました。あの泉岳寺のN響練習場でのリハーサルが、今でも昨日の事の様に思い出されます。心よりご冥福をお祈りします。合掌。

カルロ・フランチ

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Carlo Franciカルロ・フランチはオペラの黄金期を支えた偉大な指揮者の1人です。ミラノ・スカラ座、ローマ歌劇場を始め、ヴェネツィア・フェニーチェ座、ウィーン国立歌劇場、ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場等に於ける数多くの功績は、今更僕が言うまでもないと思います。
だから今シーズンのプログラム中、シャブリエの歌劇「いやいやながらの王様」に彼の名前を見た時は、はっきり言って我が目を疑いました。個人的には4年前の公演の際、レコーディングまでしながらCD化されなかった中途半端な出来に不満を感じていた上、再演と言う事で特に新しい発見がある訳でもなく、他に興味をそそられる要因もなかったので、彼の存在はとても大きかったのです。また、彼ほどの指揮者が、公演まで数週間足らずの稽古しかないのによく承諾したものだと驚きましたが、そこには再演だから全員熟知してるだろうと言う、彼なりの出演者に対する信頼や敬意の表れもあっての事だったのではないかと思います。
僕が彼と初めて仕事をしたのは丁度20年前。今回は稽古が始まって間もない初めの頃、挨拶に伺い昔共演した時の話で打ち解けましたが、僕にとっては時と場所を越えて再会出来た喜びもまた一入でした。
いざ稽古が始まってみると、彼の作り出す音楽は期待通りのものでした。オーケストラの楽員達の評判も良く、テンポの緩急、音の強弱、要所要所のニュアンス、また、歌とのバランスに至るまで実に良い響きで、これが4年前と同じ曲なのかと驚いたほどです。しかし、そんなオーケストラに引き換え、舞台上では演出の過度な動きも手伝って、彼の要求に応えられない、テンポについて来れない等、すぐには解決出来ない問題がありました。

そんな状況が続いた所為か、一昨日H.P.が行われた夜、僕は彼がG.P.にいないと言う夢を見てしまいました。昼間は「はかなき人生」の稽古があったのでそんな事も一旦は忘れていたのですが、夕方オペラ座に着いて劇場側の決断を知った時は愕然としました。こんな夢がまさか現実の事になろうとは、何とも嫌なものです。彼の要求する音楽は、リヨンのオペラ座では決して万人に受け入れられるものではなかった様です。レベルが違うと言ってしまえばそれまでですけど、勿論、オペラは総合芸術である事は確かですけど、「先ず音楽有りき」と言う常識は、ここでは受け入れられなかったのでしょう。
オペラ座のサイトには健康上の理由で降板を余儀なくされたと言う旨の説明がありますが、一昨日までの状況を知る限り、それ以外の理由もあった事は否めません。昨夜のG.P.からアシスタントが代わりに指揮をする事になりましたが、もはやマエストロが頑固なまでにこだわって作ろうとした音楽とはまるで別なものでした。

残念ながら僕の彼に関する資料は手元になく全部日本に置いてあるので、上の写真はネット検索して見つけてきた物ですが、僕のよく知っている彼もこの頃に近いです。もう80歳を越えるご高齢ですが、音楽に対する信念は衰えません。
最後まで自分の音楽を貫き通そうとして去らざるを得なくなったマエストロに、僕は心から敬意を表します。

「賭博者」TV生中継?

ル・モンド紙のテレビ欄WEB版一旦は中止と思ったテレビ収録ですが、今日のル・モンド紙WEB版のテレビ欄を見たら、今夜20時半から「Le Joueur」(仏語で「賭博者」)と書いてあったのでちょっと驚いています(写真をクリックで拡大表示します)。しかも放送局は音楽専門チャンネルの "Mezzo" です。念の為、他の新聞やテレビガイド等も見てみたんですけど、やっぱり同じ事が書いてありました。
公演が始まるのが20時ですから放送は30分遅れですが、放送終了時間から逆算すると、幕間の休憩時間(30分)を見越しての時間差の放送開始。つまり、休憩後の第3幕からは生中継と言う事じゃないですか!?
ところがです。Mezzo のサイトでは今夜は「戦争と平和」になっています。何れもプロコフィエフのオペラですけど、一体どっちが最新の情報なんでしょう???

※23時57分:追記
つい今しがた帰宅したところですが、やっぱりテレビの中継はありませんでした。いくらなんでもカメリハもなしでぶっつけ本番はないだろうと思ったんですけどね(笑)。でも何はともあれ、無事に全公演が終わってホッとしました(^^)

「パリの生活」 - DVD

現在、4~5本の仕事のリハーサルが同時進行中で少々疲労気味です。今日なんかは、午前中はコンサートのG.P.がオペラ座近くの教会であり、午後は「アンナ・ボレーナ」のオケ合わせがあったので、昼食をゆっくり食べている時間すらありませんでした。それにしてもここ数日リヨンは随分冷え込んで日中でも10℃位しかありませんが、今朝の教会はチョ~~寒かったです(@@;

明日は1日休暇で、日曜日はコンサートの本番です。また丁度この日は、娘のピアノの発表会もあるのですが、残念ながら今回は聴きに行けません。

La Vie Parisienneところで、去年の12月にリヨンのオペラ座で公演されたオッフェンバックの喜歌劇「パリの生活」のDVDが今月3日にリリースされました。
写真は、先日Fnacに行った時に見つけて、携帯電話のカメラで撮ったものです。

バレエ『ロメオとジュリエット』

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バレエ開演前今夜は、オペラ座へプロコフィエフのバレエ「ロメオとジュリエット」を観に行きました。
この演目は、リヨン・オペラ座バレエの代表的な演目の1つであり、公演のDVDも発売されている有名な演出&振り付けなので、コンテンポラリーが余り得意ではない僕も一応見ておこうと思いました。でも、どちらかと言ったら、バレエを習っている娘の為に出掛けたようなものですけどね(笑)。
写真は、開演前に写したものですが、鉄幕が何とも無機質な感じを醸し出しています。

結論から言うと、カットが多過ぎてストーリーを知っている人じゃないと何故こうなったのか分からないだろうと思う箇所が多々ありました。本来は2時間半の作品ですからね。それをたったの1時間半に縮めてしまったんですから、辻褄を合わせるのも容易ではないでしょう(有名なスカラ座バージョンも多少カットされていますが、そちらは約2時間です)。しかも、その繋げ方にしても、折角のオケ伴奏なのに、無音又は機械的な効果音で繋げてられている箇所が多くてとても残念に思いました。振り付けやダンサーの動きに重点を置いて見る分には、これでも良いんでしょうけど、個人的にはこの作品の元々の時代設定が16世紀のヴェローナである事を考えると、この演出ではやっぱり悲しくなります...(;_:
でも何はともあれ、娘は満足した様子だったのが一番の収穫です。そして、プロコフィエフの音楽は美しかったです(^^)

アルゲリッチ&海老

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M.Argerich & A.Ebi昨夜は、「マルタ・アルゲリッチ&海老彰子ピアノ・デュオ・リサイタル」に行って来ました。
前売りが始まった直後の6月にチケットを購入したのですが、チケットセンターと主催者側との間の連絡が上手く行っておらず、3席連番で買った筈だったにもかかわらず、実際には僕だけが2階中央席に...。でも、運指も良く見れたので平土間の真ん中だった妻と娘よりはマシだったかもしれません(^^)V

アルゲリッチは今迄にも何度か生で聴けるチャンスがあったのですが、実は今回が初めてでした。去年はオペラ座でもコンサートがありましたが、気が付いた時には既に完売。また、2年前にバーデン・バーデンで「ローエングリン」に出演した同時期にコンサートがあったのでチケットを購入しましたが、あの時は身体が不調だった所為もあって折角の機会を逸してしまったのです。
海老彰子さんはご存知の方も多いと思いますが、長年フランスと日本で演奏活動をしている方です。でも、実際の演奏を聴くのはやはり今回が初めてでした。実は、お姉さんの裕子さんは、僕がまだ日本にいた頃、何度か伴奏をして頂いていました(^^;

昨夜のリサイタルは、謂わば天才と秀才の競演とでも言ったら良いでしょうか。まるでタイプの違う二人のピアニストが、どう言う音楽を作り出すのか楽しみにしていました。演奏プログラムは次の通りです。

  • モーツァルト:二台ピアノの為のソナタ ニ長調 K448 (375a)
  • ラフマニノフ:二台ピアノの為の組曲第2番 Op.17
  • - 休憩 -
  • ミヨー:二台ピアノの為の組曲「スカラムーシュ」
  • ラヴェル:ピアノ四手連弾「マ・メール・ロワ」
  • ラヴェル:二台ピアノの為の舞踏詩「ラ・ヴァルス」

因みに、モーツァルトのソナタは連ドラ「のだめカンタービレ」第1話の中で、のだめと千秋が弾いていたあの曲です(笑)。

二人共素晴らしいピアニストですが、生まれ育った環境も違えば、習った先生、流派もまるで違うわけで、当然と言えば当然なんですけど、フレージングやペダリングは勿論、テンポの感じ方、メロディーと伴奏の掛け合い、また、同じピアノ(二人で交互に第1、第2ピアノを弾いたので)を弾いても奏でられる音色の違い等々、こんなにもタイプが違うものかと、とても興味深い演奏でした。
それに何より手の大きさが段違いでしたね。アルゲリッチは録音を随分聴きましたけど、手が余程大きいんだろうと分かる演奏。それが生で見てらやっぱり大きいと言うのが分かり、妙な感動を覚えました。

耳たこ!

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Vox Angeli今、娘達の間で流行っているらしいです。"Vox Angeli" (ラテン語で「天使の声」の意)と言う11~14歳のグループで、普段はフランス国内のあちこちの少年少女合唱団に所属してるようですね。
写真のCD自体は今年2月にリリースされたものですが、コンサート活動やテレビ出演等、凄い人気みたいですね。ただ、男の子達はもう少ししたら変声期だから、このメンバーのままでは続けられないと思うのですが、その辺のところはどうなんでしょう...。

兎に角、うちの娘も暇さえあればCDを聴いているので、もうすっかり耳たこになってしまいましたが、昨日の日曜日は、おまけに楽譜まで作らされてしまいました(@@;

YouTube でもうちの娘が好きな曲をお聴きになれます。興味がお有りの方はどうぞ(^^;

Vox Angeli:

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