書籍・雑誌の最近のブログ記事

『コクリコ坂から』

『コクリコ坂から』明日からジブリの『コクリコ坂から』が、フランスで公開されます。写真は今夜オペラ座へ行くためにバスを待っている時に撮ったものですが、これと同じポスターを最近あちこちで見かけます。
日本の公開は去年の7月だったんですね。と言うか、恥ずかしながらこんな映画があったという事すら知りませんでしたが...(^^;
この作品は、宮崎吾朗の監督2作目なんですね。予告編を見た感じもジブリらしいなと思いましたが、前作とは見違えるほど出来が良さそうだなと感じたのは、もしかしたら企画・脚本が父・宮崎駿だからなのでしょうか? 時間があったら是非観に行きたいです(^^)

風野真知雄:『水の城~いまだ落城せず』

風野真知雄:『水の城~いまだ落城せず』前回のエントリーと同じ史実を基とする、風野真知雄の『水の城~いまだ落城せず』を読みました。
いずれにしても小説なので、どこまでが本当の話で、どこからが作り話なのかも判別し難いものがありますが、『のぼうの城』と比較してみても断然こっちの方が面白かったです。
尤も、両作品を比べること自体が野暮なのかもしれないですが、登場人物の感情もとても良く描写されていますね。まるで蓮沼に浮かんでいるかの如く建つ忍城の姿を描写する件も、そのまま情景が目に浮かぶようでした。
廃藩置県後に廃城となってしまったのが返す返すも残念でなりませんが、いつか機会があったら行田市へ行ってみたいという気になりました。

和田竜:『のぼうの城』

オペラ座の方は、オッフェンバックの「パリの生活」のリハーサルが毎日あり結構忙しいんですけど、拘束時間が長い割には出番がなければそれなりに待ち時間もあるわけでして、久し振りに本でも読もうかという気になっちゃいました(笑)。
イマドキは読みたい本が電子書籍でもすぐに手に入るので随分便利になりました。それでも支払い方法は未だ日本国内発行のクレジットカードしか受け付けないという所が多くて苦労します。幸い、こっちのカードでも払えるサイトを数箇所見つけてあるので殆どの場合は事足りますが、それでも駄目ならパリに行った時にブックオフで買い漁るか、Amazonで普通に紙の本を買って送ってもらうしかないです。一番良いのはAmazonが早く日本の電子書籍に対応してくれる事なんですけどね...。

和田竜:『のぼうの城』129万部突破の大ベストセラーだという、和田竜の『のぼうの城』を電子書籍で読みました。
太閤・秀吉による小田原征伐のひとコマである「石田三成の忍城攻め」を書いたもので、もしかしたら自分のご先祖様と少しは関係あるのかな?なんて思いながら読んだのですが、それなりに面白かったです。
でも、所謂、普通の歴史・時代小説というのとは随分違いますね。著者が脚本家であるというのと、この作品自体が「忍びの城」という脚本を小説化、来年公開の映画(東日本大震災の影響で延期)のノベライズだと言うのですから無理もないかもしれませんね。説明文がやたら多くて(これはこれで良いのだけれど)、上・下巻に分かれている割には小説としての内容が乏しく、殆ど史実を述べているだけのような感が無きにしも非ずで、ちょっぴり残念に思いました。

Sushi & sa chimie

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Sushi & sa chimieフランス国内にチェーン展開する「Sushi Shop」というレストランの創業者がお寿司のノウハウについて語った、『Sushi & sa chimie』という本があります。
本のタイトルはそのまま読んだら「スシ&サ・シミ」なので、初めて目にした時は一瞬、「寿司と刺身」のなぞかけなんだろうと思ったのですが、"chimie" は仏語で「化学」の事。ちょっと違和感を覚えました。
中身は大雑把に言うと、お寿司を作る為の準備の話に始まって、魚のさばき方、また、色々なバリエーションの話に及んでいます。そのバリエーションには、"makis, temakis, spring rolls et california rolls..." という具合に、一般には中華料理の一品ではないのかと思われる名前の物まで登場します。更には、ネタに青りんご、ヤギのチーズ、パン・デピス、ポテト・チップス、コリアンダー等々を使用したレシピもあり、僕には到底理解出来ない、お寿司と呼ぶのを躊躇う物も沢山あるんです。やはりこのレストランのお寿司は、本のタイトルと一緒で化ける方の「化学」で合っているのかも知れません(^^;

弁当ブームがやって来る?

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弁当の本先日、本屋に行った時に料理本コーナーの棚に弁当の本が陳列されていました。
フランス人の中にはお寿司だけじゃなくて、他の日本料理も好きだと言う人が結構いる様に感じますが、その内、弁当ブームがやって来るんでしょうか...。

写真集『The Art of the Snowflake』

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Snowflake世の中もうすっかり春ですね。今日もとても暖かかったですが、ここで紹介するのは、雪の結晶の構造を研究する物理学者ケニス・リブレクト氏の "The Art of the Snowflake" (雪の結晶の芸術)と言う写真集です。今年の冬は殆ど雪が降らなかったので、少しだけ冬に逆戻りします(笑)。
1つ1つ形の違う結晶は正しく芸術と呼ぶに相応しいですね。この本を妻がずっと欲しがっていたので、先日、ホワイトデーにプレゼントしました(^^)

Snowflake

ゴーゴリ:「外套・鼻」

ゴーゴリ:「外套・鼻」リヨン・オペラ座の次回公演はシャブリエの歌劇「いやいやながらの王様」ですが、これは4年前の公演と同じ演出による再演。ソリストの殆どが総入れ替えと言う所為もあり、先週までは拘束時間がやたらめったら長くて、その点が少々うんざりだったんですけど、明日はKHP、金曜日にはオケ合わせもあるし、そろそろリハーサルも大詰め。それに加えてオペラ座以外の仕事の方もぼちぼち再開するので、本を読むにはこの時を逃して他にない!とばかりに、先週は携帯でゴーゴリの「外套・鼻」(平井肇訳)を読んじゃいました(^^)
1809年ウクライナ生まれのニコライ・ゴーゴリは、ロシア・リアリズムの祖とも言われますが、その滑稽且つユーモア溢れる独特な文体は、百年以上経った今日でも古さを感じさせません。
「鼻」の方はショスタコーヴィチが曲を付けて(台本も作曲家による)オペラになっていますが、原作には登場しないキャラクターが沢山加えられているので、それを全員揃えるのは至難の業。それ故に、上演する機会の少ない作品の1つなんですが、第2幕の間奏曲 "Musical Interlude" だけはコンサートで単発で演奏される機会も多く、結構有名だったりします。
現在入手可能な録音も僕の知る限りでは、ゲンナジ・ロジェストヴェンスキーが指揮をしたモスクワ室内歌劇場管の物しかありませんね。ロジェストヴェンスキーとは昔1度だけ一緒に仕事をした事がありますが、演奏者から良い音、良い歌を引き出す才能は天下一品だと思います。更にパフォーマンスと言うか何と言うか、観客を曲の中に引き込むパワーも並大抵じゃない。兎に角、凄い人でした。

すっかり話が横道に逸れてしまいましたが...
「外套」は、名誉や金銭等、世間的な幸福には一切無縁に、何十年もの間ただただ与えられた仕事だけを黙々と続けてきた万年九等官の主人公アカーキイ・アカーキエウィッチが、ボロボロになった外套をついに新調すると言う話。それは安月給の彼には身銭を切る一大事だったけれど、それを機に今迄に味わった事のない気分の高揚を味わいます。
そして、その新調した外套と共に新たな人生を歩もうとしていた矢先、アカーキエウィッチは追剥に外套を奪われた挙句、その事件が基となりついには病死してしまう。彼が死んだからと言って、周りは誰も悲しむわけでもないし、世の中は何らいつもと変わる事なく動いている。何か凄く悲しいし哀れですよね。でも、どんなに貧しい人生にだって、ほんの一瞬でも幸福を感じる時、人生が輝く時間がある。それがあるから生きると言う事は決して無駄じゃない...みたいな感じを受けます。そう思えたのはやはりゴーゴリの絶妙な手法のお陰なんでしょうかね。

それに引き換え「鼻」は、八等官コワリョーフの鼻がある日突然彼の顔から取れて独立した人格となる。しかも、自分より位の高い五等官と言うナンセンス小説。でも、一説によるとこの作品で描かれているのは、人間の「プライド」だと言われます。毎朝鏡を眺めて見入っている鼻こそが、そのプライドの象徴。人はそれを失った時一体どうなるのか?と言うお話。コワリョーフが鼻を失ってからの行動が実に可笑しいです。

2つの作品のどちらにも言えると思うんですけど、政治的な検閲が厳しかった当時のロシアに生きた、ゴーゴリならではの世の中に対する不満、皮肉が見え隠れしていてとても面白かったです。

ドストエフスキー『賭博者』

ドストエフスキー『賭博者』来年1月にリヨン・オペラ座で上演されるプロコフィエフの歌劇「賭博者」は、ドストエフスキーの同名の小説が基になっています。
ドストエフスキー自身が、友人・知人に金を借りまくったり、妻アンナの指輪を質に入れるほど賭け事に夢中だったという事実や、彼自身の恋愛問題がこの作品中に反映されている所為か、単なる小説とは思えない場面が多々あります。特に、主人公アレクセイが賭け事にのめり込んで破滅へと向う辺の心理描写は真に迫るものがあり、流石ドストエフスキー!と言えるのではないでしょうか。

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